Science

2009.09.28

バイオハッキング:べちょべちょしたハッキング(The Economistから)

Text by kanai

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Biohacking: Hacking goes squishy(The Economist)より。

世界の偉大な発明家たちは、もともとはハッカー(技術をいじくりまわして遊ぶのが好きな人)だった。最大手の技術系企業も、その多くはガレージからスタートしている。トーマス・エジソンがゼネラル・エレクトリックを立ち上げたもとには、改良型の電信システムの開発がある。ヒューレット・パッカードは、カリフォルニアのガレージから始まった(今では米国の名所となっている)。その数十年後のグーグルも同じだ。コンピューターのハードやソフトの分野以外でも、ガレージのハッカーや、自家製にこだわる人たちは、今も電気自動車や無人飛行機やロケットの開発にいそしんでいる。しかし、生物の分野はどうだろう? 既存の生体組織の DNA をいじって新しい組織を作るといった、バイオハッキングは、生物学に革命をもたらすのだろうか?

価格の下落にともない、アマチュアでもすぐに着手できるようになった。すでに、いくつかのグループが、これまで国や大企業が使っていた技術を個人レベルに取り込むための努力を重ねている。こうしたバイオハッキング活動を知るうえで参考になるのがDIYbioだ。アメリカとイギリスで多くの会議を開き、ニューズレターの購読者は800名にのぼっている。DIYbioは、メンバーをいろいろな街に派遣してDNA標本を採取するといった活動を計画している。こうして集められた標本から、微生物の分布地図を作成するという。

DIYbio
– Phillip Torrone
原文