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2010.02.12

分解組み立てが大好きなMakerオリンピック選手

Text by kanai

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スキーのオリンピック選手、ジェレット “スピーディー” ピーターソンは、物いじり(tinkering)は人生のスパイスだと語っている。写真はNBC Sports / USOC提供。
オリンピック選手のように世界中を旅して回る人がゆったりと暇な時間を過ごしたいときは、編み物がいいようだ。では、草刈機を分解してストレスを発散させるというのはどうだろう。Makerならわかるよね。オリンピック選手のジェレット “スピーディー” ピーターソンは、まさに、物を分解して遊んでいる。
現在28歳の彼は、小さいころから物を分解するのが好きだった。アメリカのナショナルスキーチームに加わったのは16歳のときだ。彼は物作りのスキルを活かして建設の仕事をしていたが、夢は世界初の電力を必要としない永久磁力モーターの開発、または少なくともそれを目の当たりにすることだ。また彼は、「ハリケーン」と呼ばれる複雑な3.2秒のジャンプを完璧に飛べる唯一のスキーヤーでもある。
この2月、フリースタイル競技でスピーディーが専売特許のハリケーンを飛ぶのをテレビで見たら、彼が家に帰ったら、ボクやキミたちと同じように、草刈機や自転車を分解して遊ぶんだなと想像してみてほしい。
去年の12月に三度目のオリンピック出場が決まったとき、スピーディーは物いじりへの衝動について我々に語ってくれた。これはそのときのインタビューの内容だ。
MAKE:今、どんなプロジェクトに取りかかっていますか?
Speedy:今のところは何もやっていない。プロジェクトを完成させるだけの時間がないからね。ボクはプロジェクトが完成されないままでいるのが大嫌いなんだ。だから、最後までやれる十分に時間が取れることを確認できないと、プロジェクトを始めないようにしているんだよ。
遠征先では、物いじりの衝動をどうやって抑えているのですか? ホテルのテレビのリモコンを分解したりとか、ベッドの脚をナイフで削るとか?
建築画を描いたり、アイデアをスケッチしたりするのが好きだな。ボクはあり得ないことに挑戦するのが好きで、ずっとそうしてきた。電力を必要としない磁力モーター(エンジン)の開発もそうだ。いつか実現する。ボクが開発しなかったとしても、実現したときに、その近くにいたいと思うんだ。
あなたはどんな物作りスキルを持っていますか? お気に入りのスキルは何ですか?
学校では溶接の授業を受けたかったんだ。友達の車のドアが閉まるようにしてやりたかったんだよ。だけど、彼にとって幸いなことに、それは実現しなかったよ。ボクは建築の資格を取って、しばらく住宅建設の仕事をしていた。本当は仕上げ工程の仕事をしたかったんだけど、なぜかいつも乾式壁とタイルをやらされてた。だから、その技術には自信があるよ。好きじゃないけど。
物作りや分解なんかを始めて、どれくらいになりますか?
物心ついたときから、何かを分解したり組み立てたりはしていたよ。8年生のときにはオフロードバイクのエンジンを組み直したし。最高のエンジンが欲しかったんだ。まったく無謀な試みだったけど、完成したあと、エンジンは一発でかかったよ。コンピューターも分解した。でもあれは高すぎる失敗だった。芝刈機や草刈機の小型エンジン、ランプ、リモコン、車、なんでもやったね!
その技術はどこで学んだのですか? 先生がいた?
ほとんど試行錯誤から学んだ技術だけど、自分がやろうとしていることについて、謙虚な姿勢で、よく知っている人に聞くっていうのが、ボクの最大の技術だったと思う。それがどれだけボクの頭痛と時間の無駄をなくしてくれたことか。
物いじりや物作りから学ぶことって何ですか? 何が楽しいのでしょうか?
人生は常に発展する教室だよ。物をいじったり作ったりすることで、ボク自信の地平線が広がる。それが、ストレスだらけの生活からボクを解放してくれるんだ。ボクは、みんなが不可能だと言うことに挑戦するのが好きなんだよ。
今まで作った中で、最高のもの、最大のもの、最悪のもの、いちばん気に入っているものを教えてください。
子供のころ、最初に作ったのがスケートボード用のランプとレールを作って、ローラーブレードが擦り切れるほど遊んだよ。
あなたのスキーやスケートに物作りの経験が活かされること、または反対にスキーやスケートが物作りに活かされることはありますか?
未知のに出会ったり、物の見方を変えることから何かを学ぶというやり方が好きなんだ。それは、何かを分解したり新しい物を作ったりするのとまったく同じ。それを分解したり、組み立てて使えるようにするまで、その物の正体はわからないだろ。
スピーディー・ピーターソンとオリンピックに関する情報はnbcolympics.comまたはteamusa.orgを見てください。スピーディーの活躍は Facebookでも見られます。
– Shawn Connally
訳者から:素晴らしい! 自分の物作りに対する考えをしっかりと話せることが素晴らしい。ボクたちも、なぜ好きなのか、それが自分にどう役に立っているのか、といったことを誰かにハッキリ伝えられるように考えておくことは、すごく重要だと思う。子供たちに物作りの楽しさを教えるときなんか、そうした話が大切になるからね。職人気取りで独りよがりの技術科教師 (あ、こりゃボクの中学のときの先生だわ) みたいにならないように。
原文