Electronics

2010.12.07

How-To: 改造カメラでKinectの赤外線出力を見る

Text by kanai

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レーザーコンテストの勝者、Scanner of booksとノースダコタのMaker、Daniel Reetzは、マイクロソフトのKinectをスキャナナーに使おうと考えた。その第一歩が、キヤノンのPowershot A540を改造して赤外線をキャプチャーすることだった。最初から赤外線カメラを使えば、もっと簡単にいろいろ面白いことができるだろうけど、Danは Kinectが赤外線をどう使っているかを解析したかったのだ。キャプチャー画像を拡大して見える赤外線の小さな斑点(スペックル)のマトリックス(写真)が特に面白い。

マイクロソフトのKinectセンサーはハッキング・コミュニティーの大きな関心を集めていますが、その仕組みに関する技術的な仕様はまだ明らかになっていません。そこで私は、基礎的レベルの技術の解析を行っています。私が興味を持ったのは、Kinectの光学系です。当面の目標は、深度の測定能力を利用して小さな物体をスキャンできるスキャナーを作ることです。この技術を解析するための第一歩は、まず中身を見ることです。その意味で、iFixitに公開された分解の様子などの情報は、とても重要です。
我々人間にとって不幸なことには、Kinectプロジェクターは、おそらく900から1020nm の間の赤外線(または近赤外線)を使っています。私が察するに 904nm あたりでしょう。このレーザーなら安く作れるからです。しかし、実際に計測したわけでなく、あくまで推測に過ぎません。もしそうした設計なら、投影像は肉眼では見えません。でも、カメラを使えば見ることができます。デジタルカメラに使われているCMOSセンサーは、ほとんどが赤外線に反応します。実際に、レンズとセンサーとの間に、写真の邪魔になる赤外線をカットするフィルターが入っているぐらいです。これは、赤外線カットオフフィルターと呼ばれています。

[上の写真は]いろいろな意味で興味深いものです。Kinectの赤外線スペックル場は、ランダムなドットからなる3×3のマトリックスになっているのがよくわかります。それらは強度によって区分けされ、中心にレジスターのドットがあります。つまり、完全なランダムスペックルではないということです。

Kinect Hacking 101: Hack a Powershot A540 for Infrared Sensitivity(英語)
こちらも:

訳者から:XBox の Kinect は日本でも売り出されたから、さらに盛り上がりそうだな。
– Becky Stern
原文