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2011.02.01

"グリーンジョブ" とアメリカの製造業

Text by kanai

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ニューヨークタイムズ紙より「Why Green Energy Can’t Power a Job Engine(なぜグリーンエネルギーは雇用のエンジンを回さないのか)」

Evergreen Solarは先週、マサチューセッツ州デブンズの工場を閉鎖し、従業員800人をレイオフして中国に移転すると発表した。Evergreenの工場は4000万ドル以上の助成金を受け取っていたが、多く目には、今回の工場閉鎖は、グリーンエネルギーとこの業界のポリシーは無益だという教訓に映った。しかし、Evergreenが、ソーラーエネルギー事業と、公的助成金と、アメリカの製造業に残した本当の教訓とは何だったのか? デブンズ工場の閉鎖は、アイデアはメイド・イン・アメリカでも、作るのはいつも安い中国で、という図式を思い起こさせる。

デビー・ダウナーのコントみたいだとは思うけど、何が重要かを考えさせるいい例になっていると思う。我々(アメリカ人)は、今度こそうまくやれると思う。特定の業種のベンチャー(ソーラー)に走ると私たちはダメだが、みんなが力を合わせてインフラや教育に投資すればと大きな力を発揮できる。この記事はいい感じで締めくくられている。

何十年もの間、地方の経済発展は、大規模な製造業ではなく、起業家精神と教育によって支えられてきた。デブンズ工場の閉鎖は、クリーンエネルギーに問題があることを暗示しているわけではない。製造の低コスト化で中国に対抗するのが難しいことを示しているのだ。長い目で見れば、アメリカは中国よりも市民の知的レベルの差で裕福になれる。そのために私たちは、分散した工場からではなく、学校や街から技術を学ぶ必要がある。

4000万ドルの助成金と世界的な先進性がありながら、ソーラーパネルで競争力を保てないのなら、どこで競えば勝てるのだろう。デザイン、技術開発力、短時間の試作品製造、そしてもちろん、世界中の製造業の仲間たちと手を組むことだ。
– Phillip Torrone
訳者から:デビー・ダウナーは『サタデーナイトライブ』でコメディアンのレイチェル・ドラッチが演じる、超後ろ向きであらゆる楽しい雰囲気をぶち壊しにするおばさんのキャラクター。
原文