Crafts

2011.07.20

巨大モジュラーシンセ用自作エンクロージャー

Text by kanai



Matthew Davidsonのお兄さんが、モジュラーシンセ用のエンクロージャーを作ってくれた。すごくスタイリッシュ。

私は10年ぐらいかけて、ゆっくりとモジュラーを作ってきました。元になっているのはドイツから輸入した中古の6U Doepfer Basic Systemです。バベルフィッシュを使っての商談は大変でした。あの当時、ユーロフォーマットを扱っているのは小さな会社3つだけで、アメリカにはほとんど販売店がありませんでした。しかし、物理的なコントローラで音作りを楽しむ新世代のシンセマニアたちに動かされて、アナログシンセへの興味は高まるばかりでした。
あのころは、本物のツマミを回して直接音が作れるハードはビンテージ物しかありませんでした。新しいものは、みな液晶パネルで操作するものになっていました。そのため、ビンテージシンセの市場は一気に膨らみ、アナログシンセは入手しづらくなりました。しかし、初期のシンセはサウンドのパレットが貧弱で、手でコントロールできて、それでいて信号の制限のない操作とコントロールパスの柔軟性が欲しいと思っていた人たちは、モジュラーシンセに目を付けました。でも、実際に使えるモジュラーシンセはそれこそ貴重品で、何万ドルもの価格がついていました。それが、新世代のモジュラーシンセ市場を開くきっかけとなったのです。
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去年、私は市販のエンクロージャーの人間工学的なデザインに不満を感じ、兄にカスタムケースの製作を依頼しました。私はスタジオでしか仕事をしないので、移動性は必要ありません。どっちみち、あの怪物を持ち上げることなんて無理です。厳格な寸法が求められる厳しい条件で数ヶ月の作業の結果、これが完成しました。

– John Baichtal
原文