Fabrication

2011.07.11

ネパールのククリ

Text by kanai

私はネットで売られている、変わった作りのものや、何かを作るのに便利そうなものに、すぐ飛びついてしまう。今、すごく気に入っているのは、ネパールのククリだ。これは上の2つの条件をがっちり満たしている。
ククリは、グルカの兵士が使っている、ものすごく大型で重いナイフだ。本物のククリは、ネパールのヒマラヤの麓にある昔ながらの村の刀鍛冶が手作りしている。私は、カトマンズのナイフ職人に注文して作ってもらった。そんな特注品なのに、送料込みでものすごく安い(100ドルもしない)。材料は廃材を利用している。

「ナイフってのは、こーゆーもんだ」 - クロコダイル・ダンディー
nepalkhukurihouse.comより抜粋:

「ククリには木製または革製の鞘が付属します。この鞘には、カルダ(小ナイフ)とチャクマ(火打ち石付き研ぎ棒)が入ってます。ククリは、戦闘中には決して折れないと言われていますが、驚くようなことではありません。現代のククリは廃車になったトラックの板バネから作られます。6ミリ以上の厚さがあり、炉の上で叩き上げられ、刃は入念に鍛えられます。板バネの鋼材には大量の炭素が含まれているため、集中的に鍛えることで強度を増すことができます。ククリ1本作るのに、4人の職人がまる1日を費やします。機械は使いません。また、2つとして同じ形のククリはありません」

グルカ(高い戦闘力で知られるネパール人傭兵部隊)には、ククリに関するいろいろな言い伝えがある。なかでも有名なのは、ククリを一度抜いたら、血を吸わせるまで鞘に戻してはいけない、というものだ。ククリを抜いて戦いが始まったとしよう。途中で敵が逃げてしまったときは、グルカ兵士は自分の体を軽く切ってからククリを収めるのだそうだ。
– Bill Gurstelle
訳者から:このククリを作ってくれるお店のサイトを見ると、「機械は使ってない」と言いながら、最後の研ぎと磨きでガンガンにグラインダー使ってるってのは、言っちゃいけないこと?
原文