Fabrication

2012.02.20

オープンソース焼結型 3D プリンタ

Text by kanai


プラスティック材料を積層していくタイプの高速プロトタイピングは、家庭やホビーユーザの手の届くところにやってきた。しかし、常識的な予算で金属を使った高速プロトタイピングをしたいと思ったら、削り出す方式に限定される。フライス盤のようなCNCマシンを使う方法だ。だからと言って「安価」なわけではない。Shapewaysのような業務用の3Dプリントサービスでは、ステンレスや金を使った金属の積層型モデルを作ってもらえるが、非常に高価だ。こうしたサービスが使っている3Dプリンタは「レーザ焼結型」と呼ばれ、ホビイストがお小遣いで買えるRepRapなどの熱溶融積層式(ロボット式ホットグルーガンみたいなもの)とは根本的に違うものだ。
粉末焼結積層造形法(SLS)では、薄く敷かれた粉末にレーザを当てて凝固させ、薄い層ごとに図形を描いていく。ひとつの層ができたら、その上にまた薄く粉末が敷かれ、次の層が焼き付けられる。
スウォースモア大学工学科の学生、Andreas Bastianは、低価格でオープンソースのSLSプリンタを開発した。赤外線レーザダイオードを使ってワックスとカーボンを混ぜて作った粉末を焼き固める仕組みだ。これによりワックス製のモデルができる。これは、昔ながらのロストワックス鋳造法の原型として使うことで、アルミニウムなどの金属モデルにできる。以前にも、同様のシステムの記事を書いたが、熱線でスタイロフォームを切って立体物を作るCNCマシンだった。それでも、ロスト「フォーム」鋳造法で金属モデルを作れる。とは言え、それは削り出し方式だ。積層式のSLSと違って作れる形に制限がある。[Hack a Dayより]
– Sean Ragan
訳者から:SLSはSelective Laser Sinteringの略。レーザ積層造形法とか粉体造形法などとも呼ばれます。
原文