Fabrication

2014.02.28

プレイ・ドーのDohVinciは子ども用ねんど3Dプリンターへの第一歩か?

Text by kanai

Play-Doh's DohVinci
プレイ・ドーのDohVinci

プレイ・ドーは、Hasbroのプルースト現象を引き起こすグルテン状のモデリング用複合素材だ。みんなのお父さんやお母さんがこれを口に入れて遊んでいた1970年代から、手動の押し出しキットを販売していた。
Very Early Play-Doh Extruder, 1980s edition
初期のプレイ・ドー押し出し器。1980年代のもの。

だが今年、Toy Fairの一般来場者から離れた招待客のみのプレビューイベントで、Hasbroは最新のプレイ・ドー押し出しキットを発表した。“次の大ブーム”を意識したDohVinciだ。

グルーガンのような形のDohVinciは、Hasbroが3D Systemsとの提携を発表した数日後に披露された。同社の発表では、「共同開発、共同ベンチャーにより、お子様および家族のみなさまに向けた、3Dプリント機能を有する、夢中になれる、創造的な、新しい遊びのエクスペリエンスを今年の後半に提供いたします」とのことだ。ほぼ同時に行われたこの2つの発表会を見て、なぜ今、この簡単な押し出し器と、それに使うための滑らかな仕上がりになる新しい素材のプレイ・ドーを発表したのかと、業界関係者は頭を捻った。

ThinkGeek.comがエイプリルフールのジョークとして、プレイ・ドーの3Dプリンターを発表してから、私たちはずっとそれが実現するのを待っていた。

もちろん、プレイ・ドー(または類似の素材)を3Dプリンターに使うというアイデアは前からあった。Hyrelは2013年の冬に、同社のデスクトッププリンター、EngineSystem 30でそれを行っている(EngineはMAKEの2013年7月と8月のプリンターテストに間に合わなかった)。

これらのプリンターは、Hyrelの交換可能なエクストルーダーを使うことで、いろいろな素材が使えるようになっている。EMO-25エクストルーダーはプレイ・ドー、ねんど、プラスティシン、シリコンRTVに対応している。現在、予約受付中だ。

下は、CESの会場でHyrelのプリンターがプレイ・ドーでプリントしている様子を映したVineの映像。

映像を見ると、プリンターベッドの下にプレイ・ドーのカップが置かれているのがわかる。

注目すべきは(もしあるとするなら)、大手おもちゃメーカーのHasbroが、3Dプリンターへの第一歩を踏み出したように思われることだ。しかも、非常に低い価格帯でそれを行った(それこそ我々が望んでいるものだ。しかしHasbroはこれについて一切語らなかった)。

おもちゃの押し出し器は、それ自体はそれほど興奮するようなものではないが、それを価値あるものにしているのは、プレイ・ドーの新しい素材だ。普通のプレイ・ドーとも、去年発売されたプレイ・ドー・プラスとも違う。

Hasbroの広報担当者、Kristina Coppolaによると、新しい素材は「一晩で硬化して作品が定着し、最長で1年間保ちます。しかし、DohVinciで作った形が気に入らないときは、簡単に拭き取って作り直すことができる、柔軟性と可鍛性があります」 Hasbroは、この新しい素材なら約2.38ミリの細さで押し出すことができるという。

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DohVinci用のプレイ・ドー

プレイ・ドーの新素材は、一般的な3Dプリンターよりも楽に押し出せる素材への道を付けることになるだろう。これが発売されて何日も経たないうちに、3Dプリンターで使ってみる人が、かならず現れるだろう。

– Patrick Di Justo and Anna Kaziunas France

原文