Electronics

2014.05.27

Global Space Balloon Challenge開催 ─ 高高度気球でMakerは宇宙へ

Text by kanai

A photo submitted by a GSBC team (Credit: Flaig)
GSBCチームのひとつが撮影した写真(写真提供:Flaig)

今年の初め、Global Space Balloon Challenge(GSBC)の記事を掲載した。世界中から年齢や職業の異なる人たちが集まって、気球を作り、打ち上げ、回収するというイベントだ。

打ち上げは4月18日から21日にかけて行われた。このとき、世界17カ国から集まった52のチームが気球を宇宙の入口まで打ち上げた。参加者の中には、アメリカの小学生、ノルウェーの高校生、ブラジルの大学生、香港とオーストラリアの愛好家などが含まれていた。天候などの影響で、多くのチームが打ち上げを次回に延期せざるを得なくなったのだが、写真やデータがどんどん舞い込んできて、私たちはスポンサーといっしょに受賞者の選定で忙しい日々を送った。

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いろいろな人たちが集まった。気球を打ち上げるのはまったくの初めてで、新しい技術を学ぶ楽しい方法を探っているという人たちから、果ては何十年にもわたって何百もの気球を打ち上げてきたベテランまで、経験の差も大きい。高高度気球のよい点は、経験の有無に関わらず、誰にでも手の届くプロジェクトであることだ。大半のチームが、ペイロードにArduinoやRaspberry Piとセンサーを使い、スマートフォンやタブレットでデータ記録アプリを走らせていた。さらに、大容量電池に対応するようにハックしたカメラと、市販のGPSトラッカーと3Dプリントしたパーツを使っていた。

このチャレンジでは、「ベストデザイン」や「ベスト実験」などさまざまな賞が用意されていて、参加者たちは自由で大胆なイノベーションをプロジェクトに盛り込んでいた。打ち上げと回収には、さまざまな試練が含まれている。どこに落下するかもわからないのだ。今年のGSBCでは、この問題に調整したアイデアが多く見られた。なかには、自動操舵装置付きのパラシュートで道路の近くに落下させ、一人称視点のラジコン飛行機で地上のスタッフにビデオでストリーミングするチームもあった。

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チームの構成も、ご近所のグループ、学校のつながり、家族とさまざまだ。びっくりするような話も聞かれた。たとえば、カナダから一家全員で参加したチームは、2歳の子どものリクエストをかなえるのが目的だった。ライトニング・マックィーンを「本物の宇宙飛行士にする」という願いだ。アイルランドの学校教師と小学校の生徒たちは、アイルランドの沿岸警備隊が海に落ちた気球を完全な機能を保ったまま回収してくれた話を公開していた。

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2014年はGSBCの最初の年となった。これから毎年開催される予定だ。来年のチャレンジへ向けた準備はもう始まっている。もっと多くの国からの参加を募り、チャレンジのカテゴリーももと増やしていきたい。そして、GSBCや高高度気球プロジェクトが、いろいろなレベルで学校教育に組み込まれるよう、教育関係者もパートナーにしていきたい。

ここに掲載した写真は、すべてがGSBCの参加者から送られたものだ。近宇宙からの素晴らしい写真を撮影してみたいと思っているあなた、来年のチャレンジに向けて、今すぐ準備を始めましょう! ギャラリーFacebookページを見て、気分を盛り上げてください。GSBCのウェブサイトには、気球を作るためのチュートリアルがあります。私たちは気球コミュニティを作ることも考えています。わからないことは、お気軽にフォーラムに相談してください。

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The Global Space Balloon Challengeの実現に協力してくださったスタンフォード大学、ミシガン大学、マサチューセッツ工科大学、Arduino、Sparkfunに感謝します。

– Lawrence Leung

訳者から:日本からもチームが参加してるはずなんだけど、見つけられなかった。ご存知の方、いらっしゃいます?

原文