Electronics

2015.02.20

米連邦航空局が小型ドローンに関する驚きの提案

Text by Mike Senese
Translated by kanai

FAA-logo

米連邦航空局(FAA)が、待ちに待った小型ドローンの規制のための提案を発表した。重量制限は55ポンド(約25キログラム)、昼間のみ、機体が常に見えていること、などが盛り込まれている。

クアッドコプターなどの小型で簡単に飛ばせる飛行機が、ここ数年で大変な人気になっている。そうした飛行機を扱うコミュニティでは、その使い方に関する公的なルールの規定を待っていた。このFAAの提案は、ForbesのGreg McNealが最初に伝えたものだ。しかし、予期せぬ形で外部に漏れてしまったものなので、今後、FAAによってさらに吟味され、パブリックコメントの募集などを経て公的な形になる。

多くの人が思っていたよりも、ゆるい内容になっているが、荷物の配達に使いたいと考えるアマゾンなどの業務利用においては、長距離飛行などの複雑な問題が残されている。

小型 UAS 規則設定に関する告示の概要

運用基準
• 無人航空機は重量が55ポンド(25キログラム)未満であること。
• 視認できる範囲(VLOS)のみ。無線航空機は操縦者または眼視観測者(VO)の見える範囲に留めること。
• いかなるときも、小型無人航空機は、操縦者が視力補正レンズ以外の機器を使用せずに目視できる十分に近い距離に留めること。
• 小型無人航空機は、その操縦に直接関わっている者以外の頭上を飛行してはいけない。
• 飛行は日中のみとする(現地時間の公的日の出から公的日没の時刻の範囲)。
• 有人無人に限らず、他の航空機に優先権を譲ること。
• 目視観測者(VO)を置くことができるが必須ではない。
• 一人称ビューカメラでは操縦者の衝突回避義務を満足に果たすことができないが、他の方法で義務が果たされる場合は使用できる。
• 最大飛行速度は100マイル毎時(87ノット:約160キロ毎時)とする。
• 最大高度は地上から500フィート(約150メートル)とする。
• 最小気象明視距離は操縦位置から3マイル(約4.8キロメートル)とする。
• Class A(18,000フィート[約5400メートル]以上)空域での飛行を禁ずる。
• Class B、C、DおよびE空域の飛行はATCの許可のもとで行える。
• Class G空域での飛行はATCの許可なしでも行える。
• 一人の操縦者またはVOが2機以上の無人航空機を操縦することはできない。
• 無謀または乱暴な操縦をしてはならない。
• 操縦者による飛行前の点検が必要。
• 小型無人航空機の操縦者の身体的または精神的状態が、無人航空機の安全な操縦に支障を与えると思われる場合、または支障を与える恐れがあることを認識している場合は操縦できない。
• Class G空域での超小型UASの飛行に関して、必要な航空知識を持ち合わせた操縦者の場合は、操縦に関わらない人の頭上の飛行を許可する。

操縦者の認可と責任
• 小型無人航空機のパイロットは“操縦者”と呼ぶ。
• 操縦者は以下の要件を満たす必要がある。
– FAAが認定した試験場にて基礎的航空知識に関する試験に合格すること。
– 運輸保安局の認可を受けること。
– 小型無人航空機級の無人航空機操縦者証明を取得すること (既存のパイロット航空従事者証明のように無期限)。
– 24カ月ごとに必要な航空知識の試験に合格すること。
– 17歳以上であること。
– FAAの要請があった場合は、設定された規則に基づく小型無人航空機の検査、テスト、必要書類や記録の提出に応じる用意をしておくこと。
– 怪我または器物破損を引き起こした場合は、事故発生時から10日以内にFAAに報告すること。
– 飛行前点検を行うこと。小型無人航空機が安全に飛行できるよう、航空機および操縦系の検査を行う。

航空機の必要要件
• FAAの耐空証明は必要ない。ただし、飛行前に小型無人航空機の点検を行い、が安全に飛行できる状態にあることを確認しなければならない。航空機登録は必要(他のすべての航空機に求められるものと同様)。
• 航空機識別標は必要(他のすべての航空機に求められるものと同様)。標準サイズの識別標を掲示できるスペースのない小型航空機の場合は、可能は範囲でなるべく大きく掲示すること。

模型飛行機
• 公法112ー95、Section 336に示された基準をすべて満たす模型飛行機の場合は、この規則は適用されない。
• この規則案は Part 101にFAAの捜査権限を成文化し、模型飛行機の操縦者が全米航空機規格の安全性を冒すことのないようにする。

原文