Fabrication

2015.03.31

叩き上げの富豪が教える賢いプロトタイプのための18本の動画レッスン

Text by Matt FreundTranslated by kanai

Dan Gelbartは彼の会社、Creoのための研究開発で富を成した。彼は家でプロトタイピングをしている。自宅の地下室には、私たちがハッカースペースや大学などでよく使う普通の工作機械が並んでいる。

彼は空いている時間を使って、生産現場から離れている学生や研究者に向けて、「how to build stuff」(ものの作り方)という講習ビデオを製作してYouTubeに流している。その目的は、短時間で上質なものを作れるようになることだ。このビデオは、自分の工房やハッカースペースをお金をかけずに改善したいと思っているすべての人にとっても、必見の内容だ。Danは最初から金持ちだったわけではなく、経費節約のための秘訣も数多く知っている。たとえば、サンドブラスター用の窓に使う素材として、傷のつかない安全な、スーパーマーケットのスキャナーに用いられている20ドルのダイヤモンドガラスを使ったりしている。

18のパートに分けられたこのシリーズでは、まず工作機械の使い方と調整方法から始まり、複雑で製作が難しそうなものを簡単に作るコツの紹介へと進む。物事を単純化するという、エンジニアが忘れがちな重要な考え方を教えてくれる。

ひとつ例をあげると、パート8では、いろいろな機械を使ってカスタムプロジェクト用のケースを作るという、Makerにとってもっとも頭の痛い作業のやり方を教えてくれている。鉄板の切り出し、間違って作ってしまった切り込みの修正、正しい順番での折り曲げ、角が尖らないように、また塗料が禿げないようにする蓋の幅の調整、パウダーコートなどなどだ。

40年間のティンカリング経験によって積み上げられた小さな知恵は、ものを作るうえで明らかに正しいものだが、アマチュアにとっては忘れられがちなことでもある。可能なかぎりキャプティブネジのナットなどはスポット溶接すること、プレス機を使うときは目的の形にするために折り曲げる順番を正しく考えること、そして何より重要なこととして、可能なかぎりネジ穴ではなくキーホールを使うこと、などだ。

「すべてをキーホールやスロットやキャプティブネジで作ることの重要性は、どんなに強調してもしきれない。研究開発を一生続けるとしたら、そのうち1年間はカバーからネジを外す時間に費やされるだろう。そこをスロットにしておけば、健康な食事と運動で寿命が延びるように、そのぶん長生きできる。ずっと単純だからね」

彼のアドバイスでひとつだけ残念な点は、彼のプロジェクトは、たとえばウォータージェットカッターなど、私たちがほとんど使ったことがない、または使えないような工作機械を使用していることだ。ほとんどのハッカースペースで使われている、ようやく買える機材であるプラズマカッターは「貧乏人のウォータージェット」だと彼は言っている。

シリーズの後半になると、金属以外の素材の使い方、通常の工作機械の使い方、高精度なデバイスを安く作る方法など、応用の利く具体的な知識を披露してくれる。工業学校へ通い、昔ながらのやり方で一日中作業していたい人から話を聞くことなく、3Dプリントやプラスティックのレーザーカットから卒業したいと思っている人は、ぜひとも
このプレイリストを利用してほしい。

原文