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2015.04.24

3D Roboticsの新型クアッドコプター「Solo」はデュアルLinuxプロセッサーに独自のGoProコントローラーを搭載

Text by Donald Bell
Translated by kanai

The Solo from 3D Robotics makes it debut in June of 2015.
3D RoboticsのSoloは2015年6月発売。

3D RoboticsのSoloクアッドコプターで、空中撮影がより美しく、スマートで、簡単になる。

ラスベガスで開かれているNational Association of Broadcasters(米放送局協会)カンファレンスにて、3D RoboticsからSoloが発表された。一般のドローン愛好家のハートを掴み、業界大手のDJIと真っ向対決しようと、3D Roboticsが初めて総力を傾けた製品だ。DJIが最新機種 Phantom 3クアッドコプター(今月末に発売)を発表してから1週間もたたないうちに発表したのは、偶然ではない。

しかし、3D RoboticsのSoloには、DJIの強敵から人々の目を奪うだけの何があるのだろうか。

まずは価格だ。Soloは6月に発売になるが、ベースの価格は999ドルとなる。これには、クアッドコプター本体、コントローラー、そしてユニークな30日間の満足度返金保障が含まれる。ただし、みんなが本当に欲しいほう、つまり、高度なカメラ安定用のジンバルと、GoPro用の独自のコントローラーが付属したタイプは1399ドルとなる。GoProカメラ自体は含まれないからご注意。なので、対応するHERO 3、3+、または4を持っていない場合は、その価格も加えなければならない。DJIの同等性能のPhantom 3も、ベース価格は999ドルだが、こちらはカメラ付属だ(ただしユーザーはカメラを交換できない)。

GoProバスコントローラー

3D Roboticsのようのな比較的小さな会社がGoProのバスを独自にコントロールできるようになるというのは、大きなことだ。これにより、Soloの送信機やアプリからカメラがコントロールできるようになる。「GoProの裏側には、誰もアクセスしたことのないバスがあるのをご存知ですか? そこを使ったのです。つまり、GoProがコントロールできるということです」と語るのは3D RoboticsのCEO、Chris Andersonだ。飛ばす前にカメラのスイッチを入れて撮影モードにする必要がなく(つまり飛行中ずーっと撮影することになる)、飛行中に録画開始と停止を行うことができ、あらかじめセットした録画飛行パスに従って、手動または自動で録画が行える。また、GoProのバスへのアクセスが可能になったことで、Soloから送信機へHD(720p)で映像を送ることもできるようになる。この画像はモニターやFPVゴーグルへHDMIで送ることができる。

The Solo's gimbal offers the flexibility to easily swap and upgrade GoPro cameras.
Soloのジンバルは、GoProを簡単に取り外して、アップグレードができる。

だが、もっと重要なことは、GoProをここまできっちりインテグレートしたことで、ビデオの愛好家や映像のプロが必要に応じてカメラを交換できるという点だ。映像のクオリティが何よりも大切だと思う人が多ければ、GoProは他のドローンメーカーがカメラを改良するよりも早く、より優れたカメラを開発してくれるに違いない。

工具を必要としない新しい3軸ジンバルは、カメラに電源を供給しながら、カメラポジションの微調整が可能だ。オンボードのプログラムにより、Soloは本体を回転させてポジションを安定させ、よりクリアな映像が得られる。そのため、着陸装置が写り込んでしまうことがない。このシステムはまた、Wi-Fiダイレクトビデオストリームのためのブーストも可能で、約半マイル(一般的なラジコンの電波範囲よりやや小さめ)の範囲に送信ができる。

The 3D Robotics Solo transmitter includes an integrated display and user-definable controls for advanced users.

もうひとつの頭脳

Soloの2つ目の注目すべきイノベーションは、コントローラーに搭載されたもうひとつのCPUだ。本体に埋め込まれたLinuxベースシステムの1GHz ARM Cortex-A9(ポジショニング、安定化、自動航行を担当)とは別に、まったく同じシステムをコントローラーにも埋め込んだ。そうしてスマートになったコントローラーは、スマートな自動化を実現した。ドローン本体とジンバルの両方の自動化だ。

この自動化は、Soloの大きな売りのひとつだ。コントローラーの正面に、フライボタン、ホームボタン、そしてその場で空中停止するポーズボタンがあり、初心者でもすぐに操縦が上達する。さらに驚くべきことには、映像の撮影も自動化されている。コントローラーのディスプレイに、Smart Shotsというメニューが表示される。これには、360度のオービット撮影(半径の調整が可能)、自撮りモード、ケーブルカムモードなどが含まれている。ケーブルカムとは、2つの地点の間に仮想ケーブルを渡し、そこを通過するように飛行させるものだ。そのため、カメラの操作に集中できる。

さらにケーブルカムモードは、Look At Meという新しいツールを使って「フォローミー」モードと合体させることができる。たとえばフットボール場などで、いくつかの地点の間を行き来しながらパントリターンの様子を自動撮影できる。「常に自分がカメラに写っている状態にできる」とAndersonは話している。

パッケージ全体が、Andersonの言うところの3D Roboticsが自動化に力を入れていることの表れであり、そこがDJIのクアドコプターの操縦性に力を入れている部分とは異なるという。「スティックもあります。だからスティックを使いたい人は使えますが、使いたくない人は、こいつに任せておけばグッドショットを撮ってくれます」

「基本的に十分なコンピューターパワーを搭載しているので、操縦者は物語のディレクターではなく、出演者になれるのです。Soloは、そのために必要な技術を搭載した最初の飛行機ということになります。とてもとても優れているので、これで勝負したいと思っています。しかし、哲学的な違いも見て欲しいところです」と彼は話していた。

The Solo's automated Cable Cam shot glides back and forth between two points in the air that are set by the user.
Soloの自動化されたCable Camは、ユーザーが設定した空中の2つのポイントの間で後退と前進を繰り返しながら撮影を行う

仕様

・最大飛行時間:25分(カメラとSoloジンバルを搭載した場合は20分)
・モバイルへのHDビデオストリーミング
・最大速度:55マイル/時(88キロ/時)
・最大高度:400フィート(約120メートル)FAAの規制による
・重量:1500グラム。SoloジンバルとGoProを搭載した場合は1750グラム
・Wifi範囲:環境によるが最大半マイル(約800メートル)
・コントローラーにカラーディスプレイを搭載。ライブ飛行データを表示可能
・Pixhawk 2フライトコントローラー
・APM完全自動飛行制御ソフトウェア
・カスタマイズ可能な方向指示カラー LED
・Soloバッテリー:14.8ボルト LiPo(5200 mAh)
・充電式コントローラー用バッテリー:2600 mAh/7.2 Vdc; 持続時間4時間(拡張バッテリーもある)
・10×4.5インチねじ込み式プロペラ
・880kVモーター
・GoPro HERO3、3+、4カメラに対応

The 3D Robotics Solo is beautiful, but is it a good value?
3D Robotics Soloは美しいが、それだけの価値はあるのか?

結論

2つの機種が続けて発表され、人々はこんな疑問を口にしている。3D Robotics SoloとDJIの最新機(Inspire 1またはPhantom 3)のどちらを選ぶべきか。

私からすれば、DJIのフラグシップである2900ドルのInspire 1はない。なぜなら、やや魅力に欠けるからだ。私の計算によると、4K GoPro Hero 4 Blackを搭載したSoloは1900ドル程度になる。Inspireよりも1000ドルも安い。

Soloか、1250ドルで4Kカメラ付きのPhantom 3 Professionalかとなると、ちょっと難しい。オールインワンのパッケージで、Phantom 3には背中を押されそうだ。とくに、まだGoProを持っていない人や、SoloのSmart Shot機能に魅力を感じていない人はそうだろう。

となると、この戦いは、機能、サポート、個人の好みの対決となる。私はまだどちらの機種にも触れていないので、ここは読者のみなさんの感覚や経験に頼るしかない。ただひとつ確かなのは、航空写真用機材においては、アマチュアとプロの差はずっと狭くなっているということだ。

The Solo from 3D Robotics is due out in June of 2015, starting at $999.
3D RoboticsのSoloは2015年6月発売予定。価格は999ドルより

The Solo from 3D Robotics is due out in June of 2015, starting at $999.

The Solo from 3D Robotics is due out in June of 2015, starting at $999.

The Solo from 3D Robotics is due out in June of 2015, starting at $999.

The Solo from 3D Robotics is due out in June of 2015, starting at $999.

The Solo from 3D Robotics is due out in June of 2015, starting at $999.

The Solo from 3D Robotics is due out in June of 2015, starting at $999.

The Solo's controller includes sophisticated tools for automating aerial video shoots.
Soloのコントローラーには空中撮影を自動化するための高度なツールが含まれている

One of the Solo's automated Smart Shots is an Orbit mode that cirlces a stationary subject.
SoloのSmart Shots機能のひとつ、オービットモード。静止しているものの周囲を旋回する

原文