Electronics

2015.07.13

48個のソレノイドで60年代製タイプライターをプリンターに

Text by Jeremy Cook
Translated by kanai

typewriter-solenoids

数年前、タフツ大学の講師でコンピュータエンジニアのChris Greggが、友人のEricaから手紙を受け取った。手紙はそう珍しいことではない。本物のタイプライターでタイプされていたこと以外は。

Greggはビンテージタイプライターのファンなのだが、彼自身の場合、いろいろあって、バックスペースキーが壊れてしまった。そこで、そのような問題を解決するために考え出したのが、コンピュータのプリンターとして使えるようタイプライターを自動化することだった。

これを実現するために、GreggはSmith Coronaの電気タイプライターを購入した。それならキーは電気式だと思ったからだ。しかし、当てが外れた。ほとんどが機械式で、紙に文字を打つのにクラッチメカニズムが使われていた。そしてこのアイデアは数年間、棚上げされた。だが、タフツ大の同僚、Bruce Molayがもう一度挑戦したくなるヒントを与えてくれた。今度は48個のソレノイドでキーを叩くという方式だ。

彼との会話があってから、実際に使えるプリンター(タイプライター)ができるまでには4、5カ月かかった。ソレノイドは、マサチューセッツ州ソマービルにあるArtisan’s Asylum メイカースペースの所長、Derek Seaburyがカットしてくれたアクリル板の二重構造で、ソレノイドは自作プリント基板で制御される。コンピュータとのインターフェイスにはArduino Unoが使われている。当然のことながら、このプロジェクトは配線がごちゃごちゃだ。タフツ大学でコンピュータサイエンスを学んでいるKate Wasynczukは、開発途中の様子を見て、手伝ってくれた。

下のビデオを見てほしい。このタイプライターには音楽の才能もある。動きもよく見てほしい。

Chrisもビデオの中で解説しているが、ときどきキーをミスることがあるが、これは機械的な特性による問題だ。2つめのビデオで面白いところは(とくに本物のタイプライターを使ったことのない人)、6分あたりだ。このタイプライターには1のキーがない。1はLの小文字で代用される。また、エクスクラメーションマーク(!)は、アポストロフィを打ってバックスペースで戻し、ピリオドを打つという複合技になっている。ここで相当に苦労したのだろう。彼が必死に何かを伝えたいという気持ちがわかる。

Redditより

原文