Electronics

2015.08.18

GoogleがEddystone Beaconをローンチ

Text by Alasdair AllanTranslated by kanai

Eddystone

Googleは、オープンソースでクロスプラットフォームのBluetooth LEビーコン規格、Eddystoneを発表した。ちょっと見た限りでは、AppleのiBeaconによく似ているが、見た目よりもずっと進んだ内容になっている。

2年前、WWDCで、AppleはiBeaconを静かに発表した。現実世界のあれこれをスマートフォンのアプリに持ち込むためだ。

iBeaconは、まさに我々の期待どおりのことをしてくれる。ビーコンとして機能し、UUIDをブロードキャストでき、電話機やその他のBluetooth LEデバイスで受信できる。この識別子は、ユーザーのデバイスに情報をプッシュするなど、場所に関連するアクションを起動させるといったことに使える。実際の屋内ロケーション機能はないものの、ビーコンは接近通知サービスとして使うことができる。

ビーコンには制限があり、任意の情報をブロードキャストすることはできない。UUIDとMajorとMinorのIDナンバーが使えるだけだ(この3つを組み合わせればビーコンハードウェアを特定できる)。これらのIDは、スマートフォンのアプリ上でそのIDに関連付けられた場所にマッピングする必要がある。

これまでに、興味深いビーコンハードウエアの独創的な利用の試みはいくつかあったが、あまり成功しなかった。これまでビーコンは屋外の販売環境で使われることがあまりなかったからだ。iBeacon技術には大きな期待が集まったのだが、主流にはなれていない。

これには、Appleの悪名高きMFi Programが一部関係している。これは、iPhoneのアクセサリーを作りたいサードパーティー開発者や製造業者のためのAppleのライセンシング・プログラムだ。これには、標準のBluetoothプロファイルを使用するBlurtooth LEアクセサリーは含まれていないが、HomeKitデバイスとAppleのiBeacon技術が含まれている。

にも関わらず、iBeaconを複製するために必要なものは、すべてオープンになっている。ビーコンの仕様をリバースエンジニアリングするために必要な情報はすべて揃っているのだ。そのため、多くの人はiBeaconに対応するAndroidライブラリをせっせと書き始めた。だがしばらくすると、Appleはそれを行う人たちに厳しい態度で出るようになり、彼らにAndroidへの対応を排除するよう求めたのだ。さらに、ハードウェアメーカーに対して、ビーコンを配布する前にライセンス契約することを求めた。たとえば、TIのSensorTagハードウェアのiBeacon対応は、発表後すぐに引っ込められてしまった。

これによって、いろいろな動きが出てきた。Radius NetworksのAltBeacon規格もそのひとつだが、どれも基本的にはiBeaconのコピーだった。しかし、Eddystone(イギリスのデボンの海岸にあるエディストーン灯台から命名した)は違う。

Eddystoneはクロスプラットフォームのオープンソースで、Apache v2.0ライセンスの下で配布される。サポートはGoogle Play ServicesのNearby APIに組み込まれているが、iOS対応のライブラリーもある。

面白いことに、これはAppleのiBeaconとはまったく違う仕組みになっている。一意の識別子を送信するだけでなく、Eddystoneは2つめのタイプのアドバタイズメント、つまりURLを送ることができる。実質的に、Googleはブロードキャスト版のQRコードを作ったのだ。これなら電話機をかざす必要もない。ビーコンの範囲内に入れば、受動的に受け取ることになる。

このURLフレームタイプは、一意の識別子よりもずっと柔軟だ。バックエンドのデータベースへのポインターとしてではなく、ビーコンの相手となる企業またはアプリにしか解読できないものだからだ。URLは、ビーコンが見えるソフトウェアならどれでも解読できる。

しかし、Googleが前に作ったビーコン規格、Physical Webプロジェクトとは違い、これはURLフレームをアドバタイズするだけのものではない。UUIDとURLに加えて、Google Eddystoneは、短期識別子(EID)とテレメトリストリームという2つのタイプの情報もアドバタイズできる。

この2つのフレームタイプに関しては、まだ情報が少ないが、テレメトリストリームは、大量のビーコンを扱う企業が、故障したハードウェアを探して修理するのに利用できる。EIDは安全なフレームタイプなので、特定のユーザーだけが受信できるビーコンを出せるようになる。

これはAppleのiBeaconとの互換性はないが、Radius NetworkbluvisionEstimoteといったハードウェアメーカーは、この新しい規格に飛びついた。それがどんな展開を見せるかが楽しみだ。とくに、URLのブロードキャストに関するセキュリティは、一意の識別子をブロードキャストするだけの方式よりも強固になる。過去において、これほどリバースエンジニアリングが難しく、改造が困難だったビーコンは少なかった。

原文