Electronics

2016.05.06

地電流を音や光に変換する土壌ハッカー、Martin Howse来日公演とワークショップ

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地球、土壌、地表、地面…英語ではすべて”アース”だが、その名の通り電子回路に土壌を組み込み、地球をハックすることをもくろむアーティストがいる。ロンドンとベルリンをベースに活動するMartin Howseは地質をハックし、土壌を回路に接続して作品を制作するメディア・アーティストだ。この5月、彼が来日し東京で公演とワークショップを行うという。

エンジニアでもある彼は、土壌に電極を刺し、自作の発振器やコンピュータをつないで信号を変調させたり、地電流を音や光に変換する作品を制作している。2005年に人工生命のコンペティションVIDA 8.0で最優秀賞を受賞し、2015年には本物の土を積んだユーロラック・モジュラーシンセ “ERD/ERD(Earth Return Distortion)” を制作したことでも話題になった。このERD/ERDモジュールには、筐体の土のほかにも地面(GND=アース)に接続できる出力がついており、地表の電位の揺らぎを回路に取り込むことを図っている。ゴルゴダの丘と、ドラキュラが漂着した浜辺の土を積んだ特別エディションもあるのだとか。

今回の来日では3日間に渡って、屋外でのワークショップとトーク、そしてパフォーマンスを予定している。14日には彼が考案したデバイスを制作し、実際に地面に接続するワークショップを、15日には彼と親交の深い九州大学芸術工学准教授の城一裕氏、そして石灰岩の化学変化を用いた作品を制作するサウンド・アーティストの大和田俊氏を迎え「地質アート・土壌ハック」をテーマにトークを行う。18日には、物理現象を素材にした作品や自作のデバイス作品で知られるサウンド・アーティストの佐藤実氏、堀尾寛太氏を迎えパフォーマンスを行う予定だ。

14日に東京芸術大学で行われるワークショップでは、5月11日締め切りで参加者を募集している。地電流や土壌をハックしてみたいかたはぜひご参加を。(鈴木英倫子)

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以下のイベントの詳しい内容、申し込み方法はイベントページにてご確認ください。

5月14日 ワークショップおよびフィールドワーク
時間:13時〜17時、会場:東京芸大上野キャンパス美術校舎
定員:15名 講師:Martin Howse
参加費 : 現在未定(実費1000円〜1500円を予定)

5月15日 デモンストレーションとラウンドテーブル 
開場:19時、開演:19時半、会場:gift_lab garage
入場料 2000円+1drink 、出演:Martin Howse、城一裕、大和田俊

5月18日 ライブパフォーマンス
開場:19:30 開演:20:00 入場料:2300円(予約:2000円)、
会場:水道橋ftarri
出演:Martin Howse、佐藤実、堀尾寛太

Martin Howse
ERD/ERDモジュール