Fabrication

2016.07.01

ヴィンテージ工具をレストアする喜び

Text by Gareth Branwyn
Translated by kanai

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Jimmy DiRestaがフリーマーケットで買ったもののビフォー・アンド・アフター

近ごろMakerの間では、ヴィンテージの工具を探し出してインターネットで見せ合い、それをレストアするビデオを公開するのが流行っているようだ。たしかに、人から人へ伝わってきたり、またはフリーマーケットやガレージセールで発掘したり、捨てられていたものを拾ってきて、再び生命を吹き込む作業には特別なものがある。

昔の工具は、今のものよりも作りがよくて、うんと安いことが多い。それに、新しい工具にはない、年月を経た味わいや思い出といった特別な価値がある。そして、そのどれもが、ちょっと頑張れば新しく生まれ変わらせることができる。ホワイトビネガーに浸して、ブラシをかけて、サンドペーパーで磨いて、オイルを塗って、新しい柄に付け替えたりしてやれば、それはもう工具箱の中や仕事場でひときわ輝くものとなる。

古い工具をレストアするビデオも、またなんだか面白い。ここに、最近私がYouTubeで見たビデオを紹介しよう。

このビデオでは、Jimmy DiRestaがフリーマーケットで買ってきた4つの工具をレストアしている。大きな裁ちばさみ、ノミ2本(ほぞ穴用)、フェンス用ツールだ。これらを生き返らせるために、まずホワイトビネガーに浸し、ワイヤーブラシでよくこする。そして、ベンチグラインダーにワイヤーホールを取り付けて磨く。これをベルトサンダーで磨くと、金属らしくなってくる。次に、ノミの柄を削りだし、はさみの柄にエナメルを塗る。これで完成だ。4つの工具はどれも美しい。それぞれ、フリーマーケットでは1ドルほどで売られていたものだ。

FinnCraftedで公開されているこのビデオでは、古いStanley Bailey No. 4を分解し、掃除して、磨いて、研いで、組み直している。なんだかわからないが、新しい形の瞑想のようで、1日中見ていられる。

Nick Sellerの妻が、ゴミ箱から柄の壊れた丸頭ハンマーを見つけてきた。Nickはこの頭をきれいにして、新しい柄を取り付けようと考えた。柄を作るために、彼は簡単なハンドツールだけを使った。ノコギリ、ヤスリ、そして回転ツールだ。

長年「Make:」の外部筆者をつとめるJohn Edgar Parkは、ゴージャスなヴィンテージの
Brown & Sharpe No. 4組み合わせ平方分度器のヘッドとブレードをレストアした。

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古い工具を最初の姿に戻してやったところで、それに相応しい容れ物がいる。Flickr会員のTxinkmanは、eBayで、ささくれだった古い工具箱を10ドルで買い、これをこんな美しいケースに作り直した。

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2010年に「Make:」に掲載したドレメルのシリーズで、John Edgar Parkは、この金属の工具箱をレストアした。偶然にもこの箱はPark Manufacturing Co.が製造したもので、彼が持つに相応しいものとなった。

このほかにも、YouTubeには工具のレストアのビデオがたくさんある。tool restorationと検索してみてほしい。

原文