オークランド公立図書館のMelrose Branchは、豪華で歴史的な建物で、街の地理的中心地を走るHigh Streetからわずか数ブロックのところにある。子どもを対象にした書物を多く揃え、地下には、発表会などが行えるよう、小さなステージのある多目的ホールがある。そこはMaker Campにうってつけの場所だ。
数週間前、今年のMaker CampのリードサポーターであるAT&Tのボランティアたちを手伝うために、「Make」からも私たちが参加した。そこでは、地元の子どもたちを対象に、手を使って行うさまざまな活動が実施された。それは素晴らしい遠足だった。その日の終わりには、お手伝いの我々のほうが、子どもたちよりも楽しんでいたのではないかと思えてしまった。
当日、私は会場に一番乗りした。そのあと、サンラモンからAT&Tのスタッフが到着した。さらにそれを追って、サンマテオからのAT&Tチームもやってきた。サンフランシスコのベイエリア全体から人が集まってきた。彼らはすぐに情報を交換し、お互いの役割を確認しあった。携帯電話の技術者やカスタマーサポートもいた。彼らの役割は、それぞれの専門分野そのままだったが、非常に陽気でフレンドリーで、その雰囲気はすぐに全体に広がった。結果的に8人のスタッフが揃い、Melrose Branchの司書で、今回のキャンプのコーディネーターであるKateとテーブルを囲み、その日に子どもたちと行なう工作の手順を確かめ合った。
公認のMaker Campでは、Maker Campキットを請求できる。今年は、Maker Mediaと AT&Tの慈善活動であるAT&T Aspireとの共同で提供された。Maker Campの成功の鍵はそこにある。キット、本、コンポーネントなどを含むコラボレーションだ。その日のオークランドでは、そんなキットから一部を使ってキャンプを行った。作ったりのは、粘着テープとLEDを使った光るカード、Strawbeeを使った三次元地形図、モーターとフエルトペンと身の回りにあるものを使ったScribblebotだ。
Scribblebotは私の注意をひいた。こうしたすぐれたプロジェクトは、子どもたちの心を動かすからだ。それは、プラスティックのバスケットを伏せて、そのよすみに4本のフェルトペンをくっつけ、それを足にする。バスケットの上に箱型モーターと電池ボックスを載せて、モーターの軸に消しゴムかコルクを突き刺して、モーターを電池につないで、その様子を見るというものだ。するとモーターの振動で全体が震えて、足にしたフエルトペンがランダムな模様を描く。カラフルな楽しいパターンが描かれるのだ。粘着テープを使っているので、調整も簡単だ。
Scribblebotはすばらしい。なぜなら、このプロジェクトには、素朴ながら一生役に立つ考え方が身につくからだ。電気に関する知識、プロトタイプを即座に作る力、トラブルシューティング、日常の品々を主要部品としてロボットのような面白いものを作るという考え方などなどだ。子どもだけではない。会場では2人の従兄弟同士の子どもと、1人のスタッフが時間の許すかぎりイテレーションにハマっていた。モーターを2つにしてみたらどうだろう、とかね。すでに会場は片付けられていたが、彼らは正しかった。2モーター式は本当にすごかった。
キャンプはにぎやかで純粋に楽しかった。時間は矢のように過ぎていった。最後には親たちが子どもを引き取りに来たのだが、ひとりの女の子は、父親のところへ走っていって、光るカードを彼に見せた。そして、LEDと電池がどのようにつながっているかを説明した。どの家族でも同じようなことが起きていた。スタッフはそんな様子を見て感動した。
夏は終わった。しかし、Maker Campでの経験は、その後の学校生活などにも生き続けていく。AT&Tが提供してくれたキットはとても役に立った。キャンプ参加者たちは、より多くの知識、経験、自信を手に入れ、さらにすばらしいものを作り続けるようになるだろう。今回の協力してくれたすべての人たちに、そしてこのキャンプの報告を多くの人に報告できたことに、深く感謝したい。
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