Kids

2017.03.15

子どもが作れる簡単なキットを開発するコツ

Text by bjpirtTranslated by kanai

16-9-aspect

Makerには、純粋に自分自身のために何かを作っているときから、誰か他の人が作ることを考えて作るようになる、その切り替わりの時期がある。自分のデザインを公開して、他の人がそれを作り始めるようになると、物事はますます楽しくなる。孤独なMakerから、みんなのMakerになるにのは簡単ではない。それは、そのデザインがどれだけ簡単に作れるかにかかっている。自分で作る分には問題がなくても、だからと言って他人が同じように簡単に作れるかどうかは別問題だ。難しいと思われたり、投げ出されてしまっては意味がない。

この数年間、私は他の人が作るためのロボットを開発してきた。最初Mirobot、そして今はMine IndustriesでMeArmを作っている。先日、Kickstarterキャンペーンをローンチした製品は(こちらは宣伝だが、Kickstarterキャンペーンページだ)、誰でも簡単に作れることを念頭に置いて開発した。さらにこれには、もう1つの目標があった。子どもでも作れるようにと考えたのだ。子どもにも作れるものを開発するのは、大変に難しい。なぜなら、子どもは大人なら当たり前に持っている技能を有していないからだ。そこで、私たちがMeArm Piを開発するに当たって得た知識と技術を紹介したいと思う。

1. ネジは難しい

Makerにとって、ネジは非常に基本的で、ごく当たり前で、簡単で便利なものだ。しかし、自分のデザインしたものを30人の子どもたちが教室で作ろうとしてネジと格闘している様子を見たことがあるだろうか(悲惨なことになる)。

子どもにとって、ドライバーを使ってネジを締めるという作業がどんなに難しいかを私は知って驚いた。1本のネジを締めるのに大変な時間がかかる。そこで、私たちは最新のデザインでは、新しい接続方法を用いることで、ネジの数を42本から14本に減らして、組み立て時間を数時間から30分に短縮することができた。

ゴムバンド

物同士をつなぎ止めるのに、ゴムバンドはとても簡単な方法だ。均等に圧力が加わり、正しく設計すれば、ゴムバンドは多くのネジを省略できる。張力がいろいろな方向に働くため、全体に驚くほど頑丈になる。MeArm Piのベース土台部分は、Raspberry Piの周囲をゴムバンド数本で止めるようになっているが、これだけで4本のネジを省略できた。また、同時にこれは滑り止めとしても機能してくれる。

IMG_5395

ラッチ機構

あまり見たことがないので、それが正しい呼び方なのか自信がない。これはv2 Mirobotから使い始めた便利な接続方法だ。2つの部品をつなぎ合わせるとき、片方をもう片方に引っ掛けて、回転させて位置を固定する。片方の端を次の部品で抑えることで、新しい部品が1つ前の部品を固定してゆく。MeArm Piのグリップの組み立てでは、9本のネジを使っていたところ、この方法に切り替えて、1本のネジで済むようにした。1本ですべての部品が固定されるのだ。言葉で説明するのはとても難しいので、下の動画を参考にしていただきたい。とくに、オレンジ色の部品がどのように取り付けられるかに注目してほしい。

ラッチとゴムバンドで固定する

これまではサーボを挟んで2本のネジを使って部品を固定していたが、部品を固定するクリップを作り、ゴムバンドで抑えるようにしたので、ネジは使わなくなった。

2. 正しい部品を見つけるのが難しい

目の前にロボットの部品をたくさん並べられると、どれも同じように見えて迷ってしまう。そこで、似たような部品を正しく見分けて組み立てミスをなくすための工夫がデザインに必要になる。

似たものは同じにする

もし、よく似た部品が2つできてしまったら、それらを同一にできないか考えることだ。そうすれば、取り違えることはなくなる。

違うものはハッキリと違うものにする

似たような部品で同一デザインにできない場合は、逆に、違いを際立たせるようにすることだ。そうすれば、正しい部品を見つけやすくなる。

対称形が望ましい

レーザーカッターで切り出したアクリルの部品など、回転させても、裏返してもはまってしまう場合がある。そんな場合は、対称形に部品を作っておけば、ひっくり返して、あるいは裏返して取り付けても問題がなくなる。どうやっても同じだからだ。間違える可能性を低くするためには、全体の複雑性を下げることだ。

非対称形もよし

1つ前の項目と同じことだ。もし対称形にすることができない場合は、1つの方向でしか取り付けられないような工夫をする。間違った方向にはめようとしても、はまらないようにするのだ。

以下のような工夫がMeArm Piの土台部分に使われている。

・サーボを取り囲む部品は、異なるサイズのタブが付いていて、同じサイズの穴にしか入らないようになっている。
・白い2つの部品はまったく同一の形をしているので、どちらを使ってもかまわないし、ひっくり返しても使える。
・側面のオレンジ色の部品は、形が異なるが、間違えて取り付けることもできてしまう。それを防ぐために、穴の大きさを変えて、正しい場所に正しい方向でしか入らないようにしてある。

間違った位置や方向に部品を取り付けてしまわないようにするには、間違った方向に取り付けようとしたとき、1つのタブが穴に入らないようにしておく。そのとき、人間は普通、部品をひっくり返したり裏返したりを試すものだ。

これらの工夫を利用することで、キットを子どもにとって作りやすくするばかりか、それに付きそう大人の労力も減らすことができる。

原文