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2017.04.25

ゴーカートに無限軌道を付ける

Text by Samer NajiaTranslated by kanai

私は、特別な魅力を感じさせてくれる戦車(専門的には装甲戦闘車両AFV)が大好きだ。遊ぶなら、飛行機の次に戦車が楽しい。私はAFVのプラモデル(おもに1/35スケール)の膨大なコレクションを持っている。この10年間で、ディスプレイケースに収まり切れないほど作った。私がいちばん好きなのは第二次世界大戦中のドイツ軍の車両だ。装甲兵員輸送車(APC)から重量級の戦車まで、なんでも好きだ。しかし、その攻撃力にはあまり興味がない。興味があるのは、そのエンジニアリングだ。いかに効率的に地上を移動できるかだ。その働きを私は知りたい。

Tigers-in-Repose

インターネットで、電動戦車の記事を読んで、私はすぐその作者のBrian Bunnellに連絡をとった。私はBrianに、うちのゴーカートをハーフトラックに改造したくて、それに合う無限軌道を探していることを告げた。我々の会話は、全面的なアイデアの応酬となり、すぐにBrianは、車輪の絵を描いて送ってくれた。彼の選択が解決策につながった。さらにありがたいことに、無限軌道(実際はコンベアーベルトなのだが)のメーカーはスプロケットも販売していた。それで、私の戦車製作の計画が前に進むこととなったのだ。

Tracks-and-Sprocket-from-IntraLox

その前の年、私はNoVa Mini Maker Faireに出展するための飛行機の胴体を使ったフライトシミュレーターを作っていた(腐食がひどかったので後に開発を中止した)。Maker Faireのあと、飛行機の胴体は取り外され、今はガレージに置かれている。Brianはそれが欲しいと言ってきた。そして彼は(ワシントン)D.C.までそれを取りに来た。そのとき彼は、彼の戦車を持ってきて見せてくれたのだ。そこで初めて、彼の駆動システムを間近に観察することができた。

The-2x6-Being-Sized-Up

戦車に改造しようとしていたゴーカートのボディーは、すべてアルミで作られている。4.5馬力のモーターで時速48キロまで出せる。私はそれを、地元の大学で教えている工学科の学生のグループに教材として貸し出した。すると彼らは、完全に木材のフレームで作られたものを送ってきた。私は、ゴーカートを材料を混合して作り直そうと考えた。最初の完全金属バージョンは解体して、ほぼ同じ部品を使い、金属と、引っ越しの際に壊れてしまった古いイケアの戸棚を犠牲にして、床とシートを作った。

GoKart-All-Metal

GoKart-All-Wood

最初、私はIntraLoxのスプロケットを使って完全なハーフトラックを作ることにこだわっていた。それは、車軸とサイズの合うスプロケットをボルト留めすることを意味した。しかし残念ながら、スプロケットの穴は大きく(32ミリ)、ジャックシャフトを設けて取り付けなければならなかった。構造をシンプルにするには、ガソリンエンジンを使わなければならない。手元にあるのは、1000ワット48ボルトの電動スクーター用のモーターだ。前輪とデファレンシャルブレーキで舵を取りたかった。それは各モーターのスロットルで可能になるはずだ。

Half-Track-Test-Fitting

私は、スペースを節約して軽量化を図るために、三角形の駆動システムを選択した。ところが、32ミリの丸棒を車軸に使ってしまったので、大きくなりすぎた。後ろが重すぎる。これでは荒れた土地を走ることができない。

Half-Track-Drive-System

重くなったばかりか、駆動スプロケットとモーターをつなぐアダプターを作らなければならなかった。それに、無限軌道の設置部分が小さい。それなりのトラクションは得られるが、強力とは言えない。この問題を数週間考え続けた。その後、Brianと話をしていたときに、設計を見直すことにした。研究のために、Brianが「Make:」に書いた戦車の記事を読み直した。

Brians-Tank-in-my-Driveway

この戦車は気に入っていたが、もっと大きくしたかった。大人も乗れるようにだ。おまけに、雪が積もったときは、前方にショベルを付けて雪かきができるようにしたかった。そのためには、完全な戦車が必要だ。怪物でなければならない。

私は、シートと後ろの車軸だけを残して、ハーフトラックを解体した。そして、ウォータージェットマシンを使って6ミリ厚のアルミから誘導輪を作った。Brianの小さな戦車に使われていた固定式のスプロケットの代わりに、この誘導輪を使おうと考えたのだ。ここにサスペンションを加えたかったのだ(v.1.5!)。無限軌道がどれだけ接地できるか(誘導輪が離れずにいられるか)を実地テストしながら、その数を決めた。その結果、片側4つと決まり、間隔は、無限軌道から離れないように動くのに十分な広さを持たせた。この誘導輪はスプロケットでもあるので、無限軌道は常に張力を保った状態となる。

Road-Wheels-Assembled

結果として、私はそれぞれの車輪が小さな2つの車輪で構成されるように16個の車輪を切り出した。Brianの設計図に手を加えて、車輪の穴がきっちり揃うようにした。ナット、ボルト、ワッシャー、ブッシュリングはホームセンターで買った。なるべく機械工作を減らしたいので、できるだけ市販品を使うのが私のやり方だ。さらに、誘導輪と同じサイズで、穴はモーターの軸に合うよう小さめのスプロケットを2つ切り出した。DFRobotics(たぶん)で買ったアルミのハブを持っていたので、それを駆動スプロケットに使用した。

Drive-Sprocket-and-Hub

バッテリーと、芝刈り用のブレードとモーターを取り付けるために(そう、この戦車は雪かき機と芝刈り機になるのだ)フレームの下に空間を作りたかった。そのために、ピロー型のブロック軸受けをフレームの下に取り付け、そこに車軸を通すことにした。車軸は貫通させないので、片側に2つずつ軸受けを付けた。貫通軸を使わず、ブロック軸受だけですべての誘導輪が正しく整列するようにするのに苦労した。これを使おうと決めたとき、軸受けの特性をすっかり忘れていたのだ。ともかく、なんとかできた。

The-Tank-Starts-to-Take-Shape

16個の軸受け。モンスターじゃないか。軸受けを取り付けたのは、地下室をリフォームしたときに余った2×4だ。そのため、フレームの幅を、左右25ミリずつ広げる必要ができた。ベアリングを取り付ける前に、ネジ留めしていたのだ。

Road-Wheels-Mounted

次なる問題は、無限軌道のコマ詰めだ。IntraLoxではそのための特別なツールを販売しているが、そのときは知らなかった。Brianは、ギヤプラーのような器具を作っていたが、私にはそれは作れなかったので、なんとか工夫する必要があった。

Tried-to-Make-a-Pin-Removal-Tool

最初、鉄の棒とハンマーでピンを抜こうと思った。ピンは抜けたが、その衝撃でコマがひとつ壊れてしまった。その後、無限軌道をきつく巻いておけば固定されることに気がついた。横から力を加えても動かない。そこで、ドリルプレスに鉄の棒を取り付け、外したいコマに印を付けて、ドリルプレスの台の上に巻いた無限軌道を置いた。そしてレバーを引くと、ピンは簡単に抜けた。

こうして、間もなく片側が完成した。ここで、Brianに写真を送ってやろうと思った。

Tank-Track-and-Motor-Test-Fit

無限軌道とモーターを取り付けてみてわかったのは、大きな力を加えなくても、無限軌道が外れてしまうことだ。どんなにきつく張っても、常にたるみができて、ガレージの床で押しただけでも外れてしまう。スプリングボギーやローラーやテンションシステムのことは知っていたが、必要ないと思っていた。まだ、たるみを生むサスペンションは付けていなかったからだ。しかし、それは間違いだった。

さらに悪いことに、無限軌道には方向性があった。モーターを逆転させると、無限軌道はさらに外れやすくなるのだ。各コマには、進行方向が彫り込まれていた。作っているときは気がつかなかった。

少し考えてから、私はBMX用のショック(子どもの自転車からもらった)と、アングル材と角チューブを使って、テンションシステムを作った。

Sprung-Bogie-Tensioner

ホイールは、去年Brianがくれたものだ。青い軸受けは3Dプリントしたもの。2017年のNoVa Mini Maker Faireの準備があったので、市販品を探している時間がなかったのだ。角チューブで張力を調整して、適当な位置に穴を開ける。うまくテンションが加わるようになれば、それが保たれる仕組みだ。

シャーシが完成すると、あとはモーターとバッテリーの取り付けだ。これからは楽しいところ。甥に試乗してもらった。

乗車重量の制限は68キロと判明した。それ以上乗せると戦車は動かなくなる。シャシーが重いのと、モーターの出力が小さいためだ。モーターやバッテリーやその他の部品を含めて68キロ。それに68キロを乗せて動くのだから、このモーターでは精一杯だろう。

つまり、もっと強力なモーターと、重量を軽くすることが必要ということだ。またはガソリンエンジンを使うか。そう、それにもっと大きくしなければ。

刺激を与え、励まし、このクレイジーな夢を実現させてくれたBrianと「Make:」のスタッフに感謝申し上げる。これは子どものころからの夢だったのだ。だが、始まったばかりだ。

原文