Electronics

2017.04.06

Arduinoが入ってるブレッドボード「STEMtera」

Text by Takumi Funada

昨年10月にリリースされたKickstarter発のプロジェクトSTEMtera Breadboardが日本でも入手できるようになりましたね。少し使ってみたのでファーストインプレッション。

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アイデアはシンプル。ブレッドボードにArduino Uno互換機が入っていて、普通のブレッドボードを使う感覚でArduinoの各ピンにアクセスできます。ピン配列も基本的にはArduinoと同じ。ただし、Arduinoにはない端子もたくさんあります。それについては後述。

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ボード表面にArduinoのピン名やその他の端子名が印刷されています。番号だけの穴が普通のブレッドボードとして機能する領域。筆者は透明タイプを買ったのですが、他に6色用意されていて、印刷の見やすさで選ぶとしたら白や黒のほうが良さそうです。

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シールドがそのまま使えます。ただし、ブレッドボード内のバネが硬くて、ザクッと最後まで挿すと抜くのに苦労しそう。この写真は載せているだけです。

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電源は側面のUSBポートまたはDCジャック。この電源端子はArduino専用で、ブレッドボードの電源ラインには繋がっていません。自分の回路の電源は、Arduino端子の5Vか3.3Vから取る必要があります。

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少し回路を組んでみました。こんなふうに、Arduinoピンの列と汎用ブレッドボードの領域を短い線で繋いでいく感じになります。Arduinoボードとブレッドボードが分かれていると、両者をつなぐ線がスパゲティになりがちですが、STEMteraならすっきりコンパクトに仕上がりそう。

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写真の右側に回路が寄ってますね。これはArduinoのピンが右の方に集まっているからです。では左には何があるのかというと、Arduino Unoではピンが出ていないUSBインタフェイス役のマイコンATmega32U2の端子が並んでいます。青いラベル(PB0〜PD7)の穴がそれで、ここを使うとUSBデバイスの開発に便利というわけです。

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ひっくり返すとLEGO互換のプレートになっています。LEGO作品の一部としてArduinoと電子回路を組み込みたいときに役立つはず。

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STEMteraにはシンプルなアイデアをそのまま形にした気持ちよさがあります。ただ、使いながら「これなら大きめのブレッドボードにArduino Microを挿して使うのとあまり変わらないのでは?」という疑問が何度か脳裏をよぎりました。みなさんはどう思いますか? Uno互換であること、裏面のLEGO互換プレート、ATmega32U2へのアクセス性といった特長に惹かれるならSTEMteraのほうが良いでしょうね。新しい「形」を提案されて、こちらの創作意欲が刺激されることもあると思います。文庫本のように立て置きできるという良さもあるので、しばらく机の端に本と一緒に置いておき、自分がどのくらい気に入るか調べてみるつもりです。

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