Fabrication

2017.09.20

3Dプリンターで世界最古とされるアッシリアの鍵を再現

Text by Gareth Branwyn
Translated by kanai

Makerムーブメントの恩恵は、ツール、素材、技術と数々あるが、市民科学者や市民技術者たちが、メイキングによって歴史を探ろうとする活動を助ける資料が手に入りやすくなったこともその1つだ。さらに、そうしたツールの1つである3Dプリンターを使えば、古代のさまざまな機械を再現して実験することができて、その情報を即座に大勢の人にシェアできる。

Maker’s MuseのAngus Devesonも、そんな市民科学者の一人であり、手を休めることのないティンカラーだ。彼は3Dプリンターを使っていろいろな勉強をしている。彼のウェブサイトYouTubeチャンネルでは、プリンターの機能を最大限に引きだして、材料やデザインの強度や完成度を高めるための実験が繰り返され、3Dプリンターの奥深いテクニックが紹介されている。

Angusは歴史にも詳しい。上の動画は、彼が調べて3Dプリンターで復元した、知られているかぎり世界最古の錠前のメカニズムだ。アッシリアで発見されたこの錠前は、ピン式の錠前としては世界最古のものとされている。年代は少なくとも紀元前704年に遡る。紀元前2000年にはすでに同じ方式の錠前があったと言われているが、現存するサンプルがない。

動画では、彼がプリントした断面模型を使って錠前の仕組みが説明されている。そして、その改良型のプリントも実演されている。動画の中でも触れられているが、彼はプリント用ファイルを公開している。古代の錠前はこちら改良型はこちら だ。さらに彼は、より信頼性の高い錠前にするための改良案についても話している。

古代の錠前についてもっと知りたい方は、Angusが参考にしたリンクを見てほしい(英語)。

Rethinking the Origins of the Lock
History of Keys – Who Invented Keys?
The Gates of Nineveh: A Gallery of Inventions

原文