Fabrication

2017.09.06

3,499ドルのDaVinci Colorによってデスクトップ3Dプリンターにフルカラーがもたらされる

Text by Chris Yohe
Translated by kanai

私たちの3Dプリンターのテストチームが見てきたここ数年間の3Dプリンターの動向として、「オールインワン」化の普及と、マルチエクストルーダーを備えたプリンターの急増がある。マルチエクストルーダーにはいろいろな役割があるが、中でももっとも大きなものはマルチカラー化だろう。しかし、XYZ Printingはそれを一段階進めて、溶解樹脂積層法(FFF)方式としては世界初のフルカラーの3Dプリンターを発表した。DaVinci Colorは、FFFとインクジェット技術を組み合わせた、とてもユニークな新型マシンだ。マルチエクストルーダーのプリンターと違い、操作が複雑になったり制限が増えたりといった欠点がない。

XYZ Printingのファミリーについては、よく知っている人も多いだろう。その中のDaVinciシリーズは、この数年間、3Dプリンターコミュニティの主要機種になっている。2016年の段階で、XYZ Printingは、SLAレジンプリンターのNobel、数多くのFDMプリンター、さらに3Dスキャナーまで揃えた第一級のブランドだ。DaVinci Colorによって、これまで高価な業務用マシンでのみ可能だったフルカラープリントを家庭に届けることになるXYZ Printingは、さらにその地位を高めるだろう。

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DaVinci Colorのエクストルーダーはひとつだけだ。インクジェットプリント用に特別にブレンドされたPLAを用いることで、XYZ PrintingのCEO、Simon Chenが言うところの「分光分布の正確さ」でプリントできる。これは、フィラメントの色を瞬時に変えることができ、最大160万色で美しいプリントが可能なCMYKインクジェット技術の賜物だ。さらに驚きなのは、パージタワーができないことだ。消耗品の値段を心配している人には、ちょっとうれしいしい話だ。

たしかに、カラーインクジェット用のPLAは、少し高い。600グラムのスプールでおよそ35ドルだ。カラーインクのカートリッジは64.95ドル。厳しいと感じる人もいるかもしれないが、プリント後に着色をする大変な手間を考えれば妥当なコストだ。その他の仕様は、みなさんのご想像どおり。DaVinci Colorの造形エリアは平均的な200x200x150ミリ。レイヤーの高さは100〜400ミクロン。ノズルは標準の0.4ミリだ。自動レベル調整式のベッドは取り外しが可能。加熱機能はない。5インチのカラータッチパネルを備え、有線でも無線でもプリントできる。

プリントの仕上がりはと言うと、想像を一段階超えた出来だ。カラーはいいもんだ。DaVinci Colorのデモプリントは山ほど見られる。恐竜やスーパーヒーローなど、色が付くことでこんなに印象が違うのかと思わされる。「Make:」のテストチームのメンバー、Josh Ajimaのチュートリアルを見た人にはわかると思うが、昔ながらの毛細管現象がまだ残っている。それが色に独特な味わいを与えているのだが、ここまで滑らかに仕上げるにはかなり苦労した。このマシンを発売されるときには、ソフトウェアで、リンギングなどの表面の異常を目立たせてしまう色の問題を解決できるようになっていればうれしい。

シェーディングや色をプリントすることで、いかに見栄えがよくなるか、いかに深みが加わるかという部分は、予想を超えていた。ウェザリングを最初からプリントできるので、模型作りの愛好家は、時間と塗料をちょっとだけ節約できるだろう。まだ完全に動くソフトウェアは見ていないので、フルカラーのプリントがどれほど簡単に作れるのかは確認できていないが、携帯電話のスキャナーと写真測量法を組み合わせれば、全体を通した作業がずっと楽になるはずだ。この着色方式が、これまでのプリントの仕上げ方法にどれだけ耐えられるかも、見ておきたいところだ。色が付いて出てきたところで、表面を磨いたり洗浄したりという作業は今までどおり残っているからだ。

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XYZ Printingは、DaVinci 1.0からずいぶん長い道のりを歩んできたが、DaVinci Color は、家庭の3Dプリンターユーザーに、まったく新しいエキサイティングな世界を届けることになる。メーカー希望小売価格3,499ドルのところ、2,999ドルで予約ができる。多くの3Dプリント愛好家やビジネスに役立ってくれることを願う。

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