Electronics

2018.07.17

レーザー感知システムを装備したレーザーメイズを作って脱出のスキルを磨こう

Text by Peter Bullen
Translated by kanai

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大切なものを網の目状に放射されるレーザー光線で厳重に守る「レーザーメイズ」は、映画では究極の防犯システムとして登場する。泥棒はその隙間を、身をかがめたり、体をよじったり、這ったり、ジャンプしたりしながら通り抜けなければならない。レーザーに触れたら警報が鳴る。現実には、レーザーメイズは家の防犯対策としては非合理だが、作るのは楽しい。そして、遊び場としてとても楽しい。

警告:レーザー光線は大変に強力なので目を痛める危険性があります。予期せぬ方向にレーザーが反射して人の目に当たったりしないよう、鏡などの反射率の高いものは近くに置かないようにしてください。また、万一目に入ったときに怪我をする危険性を低減するために、レーザーはかならず5ミリワット以下のものを使用してください。

基本のレーザーメイズ

基本的なレーザーメイズはとても簡単に作れる。使うのは、塩ビパイプと継ぎ手、スイッチをオンにしたままにできるレーザーポインター、粘土、スモークマシンだ。塩ビパイプを60〜100センチの長さに切り揃え、継ぎ手を使って、中が歩ける程度の大きな檻を作る(下の写真を参照)。最初は、高さ160センチ、幅150センチ、長さ3メートルほどの大きさがよいだろう。塩ビの檻のところどころに、粘土を使ってレーザーポインターを取り付ける。いろいろな角度から中央のスペースを狙うようにして設置し、スイッチを入れる。部屋の電気を消して、スモークマシンを作動させ、レーザー光線が美しく見えるようにする。

長時間の使用を想定してスイッチをオンにしたままにできる、高性能なレーザーポインターが望ましい。どんな色でもいいが、緑がいちばん明るくてよかった。

レーザー感知

このレーザーメイズに、レーザーに触れたときに警報が鳴ってライトが点灯するレーザー感知システムを追加すると、さらに楽しくなる。フォトレジスターを各レーザー光線が当たる場所に配置する。それぞれのフォトレジスターは電圧分配器に接続し、それをArduinoのアナログ入力ピンにつなぐ。レーザーが当たっている間はフォトレジスターの抵抗値は低いが、レーザーがさえぎられると抵抗値が上がる。この電圧の変化を読み取って警報をトリガーするようにArduinoにプログラムすればよい。

レーザー光線を動かす

レーザー光線が動くと、まったく違う世界が体験できる。塩ビパイプの柱にモーターを固定し、そこにレーザーポインターを取り付けてみよう。

モーターは、いろいろなスピードで左右に回転を繰り返すようにプログラムする。1サイクル5〜10秒程度がいい感じだ。角度にも変化を付ければ、レーザーが狙う範囲をランダムにできる。モーターとレーザーの装置を収めるケースをデザインして3Dプリントすれば、スッキリできる。

感知システムを追加する場合は、半透明のシートをレーザーが当たる側に配置し、動くレーザーをすべてキャッチできるようにする。

半透明のシートがすべて画面に収まるように、メイズの外にカメラを設置する。コンピュータービジョン(CV)プログラムを作り、カメラに写ったシートに照射されるレーザーの点を、そのプログラムで監視する。これで、レーザーが遮られたどうかを判断できる。

CVの初心者は、Pythonのライブラリーにある「scikit-image」を利用するとよいだろう。また、「OpenCV」はいろいろなプログラミング言語に対応している。

原文