我々は、テクノロジーを消費するだけの存在ではなく、
テクノロジーを創造する人間、「Maker」にもなれる。
ーデール・ダハティ(Make日本語版 Vol.1より)
MakeとMakerムーブメント
「Make」は、アメリカ発のテクノロジー系DIY工作専門雑誌として2005年に誕生しました。自宅の庭や地下室やガレージで、びっくりするようなものを作っている才能あふれる人たちのコミュニティが、どんどん大きくなっています。「Make」は、そうしたコミュニティ同士を結びつけ、刺激と情報と娯楽を与えることを目的としています。「Make」は、すべての人が思いのままに、あらゆるテクノロジーを遊び、いじくり、改造する権利を称賛します。「Make」の読者は、自分自身、環境、教育─私たちの世界全体をよりよいものにするための文化、コミュニティとして成長を続けています。それは、雑誌の読者という枠を超え、全世界的なムーブメントになりました。私たちはそれを「Makerムーブメント」と呼んでいます。
Make: Tokyo MeetingからMaker Faire Tokyoへ
Maker Faireは、世界最大のDIYの祭典です。家族で楽しめる、発明と創造と役に立つ情報がいっぱいの展示会であり、Makerムーブメントのお祭りです。出展するMakerは、技術愛好家からクラフト作家、教育者、ホビースト、エンジニア、アーティスト、学生、企業など非常に多岐にわたり、年齢も経歴もまちまちです。Maker Faireの使命は、こうした何千何万というMakerたちやMakerの卵たちを、楽しませ、知識を与え、結びつけ、刺激することにあります。2012年にサンフランシスコのベイエリアで開催した7回目のMaker Faireには、11万人以上もの人々が訪れました。日本では「Make: Tokyo Meeting」として2008年より開催されていましたが、2012年から、全世界共通の名称「Maker Faire」としてリニューアル開催します。
Make Books
自らの手で作ること、自分で体験することを大切に考えている人のための書籍。
田中 浩也 著
ファブラボジャパンの発起人が綴る「パーソナルファブリケーションムーブメント」最前線。MITメディアラボの人気授業「(ほぼ)なんでもつくる方法」体験記と、世界各地のファブラボのユニークな活動の様子を紹介。
Mark Frauenfelder 著、金井 哲夫 訳
雑誌「Make」の編集長の著者による、ビットの世界からアトムの世界への旅の記録。野菜作り、エスプレッソマシンの改造、鶏小屋作りと養鶏など、様々なDIY体験を通じて、個人が物を作ることの意味を考える。全Maker必読の書。
Gever Tulley、Julie Spiegler 著、金井 哲夫 訳
「ナイフを使う」、「目隠しで1時間過ごす」「強風の中で手づくり凧をあげる」「ミツバチの巣を探す」など、親子で行う50の活動を通じて、「危険を見きわめる力」と「対処する力」を身につけることができる本。大人の読者ももちろん楽しめる。
Jeff Potter 著、水原 文 訳
ギークのために書かれた料理の基本を学ぶ本。食材の味と風味の組み合わせ方、熱の加え方の違いが食に与える影響など、料理の基本を科学的に学ぶ。100を超えるレシピ、「分子ガストロノミー」「真空調理法」など、新しい料理の手法も。
Theodore Gray 著、高橋 信夫 訳
過激な実験を通じ、科学の原理と楽しさを学ぶ。「クッキーを燃料にしたロケット」「コップ一杯の水と電池で水素を作る方法」「シャボン玉爆弾」「雪の結晶を永久保存する方法」など、54本の実験で決定的な瞬間を安全に楽しもう。
Massimo Banzi 著、船田 巧 訳
フィジカルコンピューティングのためのオープンソースプラットフォーム「Arduino」。その開発者が、Arduinoの拝啓、ハードウェア、ソフトウェアの基礎を解説。誰にでもできる簡単なチュートリアルも。付録:Arduino公式リファレンス。
Dustyn Roberts 著、岩崎 修 監修、金井 哲夫 訳
動くものを作りたい方のためのメカニズム入門書。ネジや歯車など基本的な機械要素とその背景にある物理法則、材料の特性、部品の結合方法などから、モータの制御や各種の要素を組み合わせたメカニズムについて解説。作例も充実。
小林 茂 著
Arduinoを使った新しい物づくりのための本。その中心は「距離を測る」「動きを検出する」などのすぐに使える38本のレシピ(配線図+サンプルコード)。他に「作りながら考える」という方法も紹介し、アイデアを形にすることをサポートする。
Casey Reas, Ben Fry 著、船田 巧 訳
イメージやインタラクティブなグラフィックスをプログラミングするオープンソースのプログラミング言語「Processing」解説書。簡単な図形の描画から、Arduinoを使ったセンサーデータの可視化方法まで、わかりやすく順を追って解説する。
Robert Faludi 著、小林 茂 監訳、水原 文 訳
XBeeによる無線ネットワークの入門書。XBee無線モジュール(シリーズ2を対象に、ハードウェアの選び方、初期設定、ArduinoやProcessingと組合わせて使う方法などの基本を詳しく解説。幅広い作例で、XBeeの機能を習得可能。
Charles Platt 著、鴨澤 眞夫 訳
新しいエレクトロニクス入門書。「電気を舌で味わう」「電子部品の分解」「LEDを焼き切る」などの実験や、侵入アラーム、反射速度計測タイマー、ロボットカートなどの製作に通じ、退屈になりがちな学習を心に残る「体験」にする。
Tom Igoe 著、小林 茂 監訳、水原 文 訳
ぬいぐるみ状のゲームコントローラーや、ネットワーク大気清浄度計など、現実世界の活動をコンピュータが完治、解釈し、反応するような様々な作成を多数掲載。インターネット、無線ネットワーク、Arduino、GPSやRFIDなどの技術も。
Make Magazine
Makerのための技術情報とモノを作る事に関する新しい考えを毎号紹介。
DIY SPACE
特集「DIY SPACE」は個人・ベンチャーによる宇宙開発をテーマにDIY衛星の現状、超高高度観測気球など。他、紙を切るプリンタ「Craft Robo」、製作記事では「風船画像サテライト」も搭乗。「ハッカースペースの作り方」など読み物風記事も。
Desktop Manufacturing
第1特集は「Desktop Manufacturing」。オープンソースの3Dプリンタ開発機や、CNCマシン、3Dスキャナを自作。第2特集は、「ソーシャルな目覚まし」など、ネットにつながるモノの作成。製作記事は「LEDヨーヨー」「スタバカップアンプ」など。
Make: ROBOTS
特集は「Make: ROBOTS」。自立飛行機、昆虫型ロボットなど、「自ら考え、動くロボット」を紹介。可能性に迫る。光る文字でスピードを表示するサイクリングベストやキュートなロボット「Makey」ソーシャルメディア衛星開発プロジェクトも。
ReMake: America
楽しみながら省エネを実現するガジェット、ガーデニングコンピュータなどを使い、「世界をもっと良い場所にするためにMakerができること」を特集。他、手芸と電子工作では、LilyPad Arduinoも紹介。他、はてなの自社サーバ開発秘話など。
Lost Knowledge ― 失われた過去のテクノロジー
特集は、職人気質のモノ作りと、スチームパンクスタイルのプロジェクトを紹介する「Lost Knowledge ― 失われた過去のテクノロジー」。他、「海外キット製作」「ニコニコ技術部が作る『あの楽器』」「安価にガラス工芸をはじめる方法」など。
DIY MUSIC
「DIY MUSIC」を特集。レーザーハープ、レーザーテルミン、ドラムボット、エフェクター(トレモロとファズ)を自作する。「開け!Arduino」ではトートバッグのカスタマイズ、ミニ飛行船の操作など、Arduinoのユニークな使い方を紹介。
OPTICS ― 「見る」ことの不思議
特集「OPTICS」では、自作デジタル3Dビデオや、ウェブカム顕微鏡で、視覚の不思議を楽しむ。他、手品の仕掛けを自作する作例や、「ニコニコ技術部」の読み物などを掲載。姉妹誌「Craft」からは、LEDタンクトップのレシピを紹介。
alt.vehicles ― 自分だけの乗り物を作る
第1特集は「alt.vehicles ― 自分だけの乗り物を作る」。自転車を中心にした乗り物の意外なカスタマイズを紹介。第2特集では、セルオートマトンを活用した洋服のパターン作りや赤外線写真などを解説。製作記事は「風力発電機」、「ガラス瓶生物圏」。
FRINGE ― テクノロジーとサイエンスの辺境
特集「FRINGE ― テクノロジーとサイエンスの辺境」では、フリーエネルギーから超常現象まで、科学の辺境を冒険する意味を探る。他、電子工作の魅力を追う記事や、「牛追いムチ」や「ブレインマシン」「羽ばたき飛行機」の作り方を紹介。
バックヤード・バイオロジー
「バックヤード・バイオロジー」を特集。冷凍保存した生物の蘇生方法や、自分のDNAを抽出、鑑定する方法など、「生命の神秘」をハックする。関東インタビューはセグウェイの発明で知られる。ディーン・ケーメン。他、ストロボ写真など。
2006年に発行された、記念すべきMake日本語版第1号
2006年に発行された、記念すべきMake日本語版第1号。「凧にカメラをぶら下げて空中撮影を行う方法」「ビデオデッキを改造して猫の給餌機を作る方法」「水道管で作るカメラスタビライザー」「中古マウスで作るジャンクロボ」などを掲載。