Crafts

2008.12.24

世界をRemake(リメイク)しよう

Text by kanai

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An Upside to the Economic Downside(経済的マイナス面のプラス面)と題されたEllen Goodmanの記事より:

変革へのもっとも強い起動力となるものは、新発見ではないと社会学者たちは言うだろう。すでに知っているものに気づくことで変革が始まる。クレジットカードに推進され、借金に捕らわれ、後払いに支えられた景気が、経済的にも、環境的にも長続きしないことは、アメリカ人がほぼ共通して気づいていたことだ。
このことに気づいていたのは、ビルケンシュトックを履く人たちや、大恐慌を体験した年寄りたちだけではない。それは、反物質主義のすべての評論家、反商業主義の声を上げるすべての人たち、格差社会に不満を持つすべての人たち、子供たちに与えたものや埋め立てた廃棄物に恐れを抱くすべての人たちの集団的潜在意識の中に抱かれてきたものだ。しかしそれは、日曜日に教会で聞く説教のように、一様に消え失せてしまった。ダイヤモンドの競技場に巧みに追い込まれてしまったのだ。

今こそ変革のときだ。Makerたちは、このときを待っていたはずだ。劇的な変革の時期に私たちは立ち会っている。それは、フランス革命当時のパリをディケンズが「最高のときであり最悪のとき」と表現したときと同じだ。どんなに大変か、これからどれほど悪くなるか、という話は山ほど聞かされている。しかし、いいニュースもある。それはGoodmanの記事にも書かれている。我々の多くが、今の生き方や生活様式が自分たちに合っておらず、この惑星にも合っていないと感じてきた。私たちは変革を求めてきた。しかし、どうやって変革を起こすのか、世界をどのように変えるのかはハッキリと見えていなかった。数知れない社会や文化が密接に結束し合って、なんとか変革せずに済む理由を探し回っている。
思うに、今こそ、変革を起こし、この世界を変えるための絶好の機会だ。私たちが直面しているような問題は、普通のやり方では解決できない。普通の人にも無理だ。アインシュタインはこう言っている。「問題は、それを生み出したときと同じ考え方では解決できない」と。私たちなら、こうした問題に別の角度から斬り込むことができ、少し前なら不可能だと思われたような飛び抜けた発想を提供できるはずだ。教育、エネルギー、運輸、医療、建設、地域社会、なんでもいい。すべてテーブルの上に乗っている。もっともっと多くのMakerたちの力を合わせていく必要がある。
少し前のMakeのコラム「The Visible Hand(英語)」にも書いたが、私たちは「変革は私たちそれぞれが開始するものと信じるべき」なのだ。個人でもいい、グループでもいい、みんなで力を合わせて大きな問題に立ち向かえば、自分たちの生活から、家庭から、地域社会から変革を起こすことができる。私は、より幅広い問題の解決に役立とうと活動する人たちが増えているのを感じている。その多くは、テクノロジーや社会的メディアをクリエイティブに活用している。
私は、そうした活動を、Makeのブログ上でRemake(リメイク)というタイトルで紹介していきたいと考えている。どうかみなさんのアイデアやプロジェクトを私に知らせてほしい(oreilly.comのDale宛)。そうして、みなさんの世界のリメイク活動を、より多くの人たちに知ってもらおう。今、リメイカーが何をしているのか、これから何ができるのかといった対話が積み重なることを期待している。
– Dale Dougherty
原文