Electronics

2009.09.03

投石機の作り方 – Part 1

Text by kanai

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投石機は楽しくて勉強になる技術の塊だ(私は、バネや重りや人の力で投射体を投げ出す方式の古来から伝わる射出兵器のことを投石機と呼んでいる)。単純にして複雑。繊細にして強力。これは、パソコンや旅客機のようなものとは違い、トレビュシェットやバリスタと呼ばれる投石機は、見ただけでその仕組みがわかるのだ。しかしその一方で、物理学や運動学が複雑に入り組んでいる。
投石を作るときのコツ:

  • 古式に則りたいところだが、現代の素材を使うのもいい。古代ギリシャのロープで巻き上げるトーションスプリング方式もかっこいいが、スプリングのパワーを十分に引き出すためには、おそらく骨組みが折れるほどの力で巻き上げないとならない。トーションスプリング方式やテンションスプリング方式でやりたい場合は、バンジーコードで実験してみてもいいだろう。
  • 私の経験から、針葉樹の軟らかい木材よりも、広葉樹の固い木材と金属で頑丈に作るほうがよいとわかった。しかし、もっとも手に入りやすいのは針葉樹の規格材だ。もしそれを使うなら、2本束ねるなどして、強度を高めるとよい。そうしておいてよかったと、あとでわかる。
  • 重りを使ったトレビュシェット方式を採用する場合は、アームの先端に石を入れる袋を付けるのではなく、飛ばす投射体のほうにヒモを付ける形をお勧めする。石といっしょにヒモが飛んでいく。これを私は「犠牲的ヒモ」と呼んでいる。このほうが、ずっと簡単に作れる。
  • 投射体をリリースするための機構にも気をつかう必要がある。大型の投石機の場合はペリカンフック(船乗りが使う道具で、ボート用品を扱う店で購入できる)を使うといいだろう。または、アーチェリー用のリリーサーも使える。どちらもスポーツ用品店で売っているはずだ。安価だし、小さな投石機にはかなり有効だ。投石機のトリガーに関するより詳しい情報は、今後の記事をお楽しみに。

art of the catapult.jpg

私の著書『The Art of the Catapult』に、投石機の歴史や構造について詳しく書かれている。Maker Shedで売ってます。
さらに:

– Bill Gurstelle
訳者から:もともと兵器なので、大きな物を作って遊ぶときは、ご自分の責任において十分に安全に配慮してください。ここで紹介している以上「マネしないでください」なんて幼稚園みたいなことは言いません。でも Make は責任を負いません。
原文