Electronics

2009.12.07

Ask MAKE:回路設計用ソフトは何がいい?

Text by kanai


Ask MAKEは、みなさんの質問に答える週刊コラム(日本語版は不定期掲載)です。mattm@makezine.comに質問を送ってね。または、Twitterでも受け付けています。さあ、難問をぶつけてくれ!
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Bjornより:

私は今、2つ目のArduinoプロジェクト(であり、生まれてから2つ目の電子工作)に取りかかっています。私は、紙ではなくコンピューターに回路図などを描きたいと思っています。現在、Fritzingを試していますが、ほかにもっといいソフトがあれば、教えてください。ブレッドボード、回路図、プリント基板デザインを描くのに使用したいのです。私は、自分でプリント基板の設計ができるぐらいにまで勉強して腕を磨きたいと考えています。そうしたデザイン作業を、すべてコンピューター上でできたら最高です。Eagleをダウンロードしましたが、まだ試していません。何に使うのかも、今ひとつわかってません。プリント基板用だとは思うのですが。

いい感じでスタートを切ってるみたいだね。キミが探してるソフトは、いわゆるEDA(Electronic Design Automation)ツールだ。昔から、回路図キャプチャ-インターフェースを備えた電子回路図を描くソフトとして使われてきた。なかには回路のシミュレーションができるものもある。最終的には、その回路をプリント基板の形にまとめてくれる。電子機器業界では、Synopsys、Cadence、Mentor graphicsといったメーカーのプログラムが使われているが、それらは目玉が飛び出すほど高価で複雑で、ホビー用とは言えない。FritzingとEagleというのはいい選択だ。回路とプリント基板の設計に適している。この2つは、もともと使用目的が違うんだけどね。
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電子工作の初心者にとっては、Fritzingは最適なソフトだと言える。パーツの記号を無理矢理覚えなくても、ブレッドボードモードを使えば、ブレッドボード上に部品のそのものの形をしたシンボルを並べて線で結べば回路が組める。オモチャっぽいけど、そうして作った回路を、ちゃんとした回路図に描き替えてくれるという、実にパワフルなツールだ。また、ブレッドボードモードと回路図の画面を切り替えて見比べるだけで、部品の記号が簡単に覚えられる。ブレッドボードで組んだ回路を保存して、プロジェクトの記録にすることもできるし、プリント基板モードに切り替えて、簡単な1層のプリント基板デザインに変換すれば、それを元に自分で基板も作れる。チュートリアルがとても参考になる。
eagle_pcb_editor.jpg
Fritzingは電子工作入門の強い味方だが、もっと高度なことをしたいと思っているなら、もう少し高度なツールが必要になる。それにピッタリなのが、キミも持っているEagle(Easily Applicable Graphical Layout Editor)だ。これはオープンソースソフトウェアではないが、十分に実用的な無料バージョンも提供されている。ブレッドボードモードはないから、最初から回路図に取り組まなければならない。回路図が完成したら、配線がきちんとできているかを確かめて、プリント基板を作り、部品を並べてみる。まずは、SparkFunの連中が作ったチュートリアルを見るといいだろう。
このほかにも、フリーのプリント基板デザインソフトはいろいろある。たとえば、ExpressPCBは、独自開発の回路図キャプチャーとプリント基板レイアウトのツールだ。同社のプリント基板製造サービスとがっちり連携している。gEDAは、総合的なオープンソースの回路シミュレーションとデザイン環境を目指している。だけど、ちょっと難解だ。FreePCBは、プリント基板のデザインにはよさそうだが、回路図キャプチャー機能はないみたいだ。
私からのアドバイスは、当面は、FritzingとEagleをしっかりと使えるようになることだ。これらを使って回路を設計してプリント基板を作るんだ。いずれ、これでは物足りなくなる。そのとき、もっと高度なツールを試してみるといいだろう。がんばってね!
[写真はFlickrユーザーの Zach Hoeken提供]
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– Matt Mets
原文