Electronics

2011.01.27

How-To: 簡単キャスティングでおもちゃを複製

Text by kanai

Super Awesome Sylviaが、Mini Maker Showに戻ってきた。今回はレジンキャストに挑戦だよ!
iTunesでMAKE Podcastを購読m4vビデオをダウンロード、YouTubeで見る。Vimeoで見る。
大好きなフィギュアをもうひとつ欲しいと思ったことはない? オモチャを改造したいけど、ダメにしたくないって思ったことは? 今回はそんなあなたに、簡単な型どりとキャスティングを使ったオモチャのクローンを作る方法を紹介します! はじまりはじまり!
使うもの:

  • 複製したいオモチャ(どんなものが適しているかは下で説明します)
  • 型どり用の素材(私はComposiMoldを使ってます。簡単だし何度も使えるから)
  • 使い捨てのカップ。素材を混ぜる用と、型どり用(オモチャが入る大きいもの)
  • キャスト用レジン(ここでは金物屋さんで買ってきたポリエステル樹脂を使います)
  • 水で薄めた木工用ボンドを吹き付けるためのスプレーボトル(泡を入れないため)
  • 型剥離剤(ここでは食用油のスプレーを使いました)

どんなオモチャでもできるというわけじゃない。大きな穴があるものや、フック状になったもの、動く部分があるものは、型からうまく取り出せない。それから、形が複雑で、レジンがスムースに流し込めないものは、流し込む口をいくつか作るとか、部分ごとに分けて作るようにしないとうまくいかない。どんなものでも、型をとってキャストできるけど、複雑なものはそれなりに手間がかかる。今回は、すごく基本的なやり方を紹介します。
オモチャを、変な形をした管か風船だと考えるとわかりやすい。オモチャの型には、レジンを流し込むための “口” が開いてないとダメなんだけど、そのためには、型を作るときに、オモチャを完全に型の中に入れてしまうのではなく、一部を外に出しておく。この口には、レジンを流し込みやすくするのと同時に、レジンの中の気泡を逃がす役割もある。気泡が入ると、きれいな形に仕上がらないからね。そのためには、大きめの台や平らな部分があるオモチャがいい。そこを口にするわけ。あとは、型が固まってから、オモチャも型も壊さずに取り出せるかどうかを考えないとね。それはやってみないとわからない。だから、何度でもやり直せるComposiMoldがいいのよ。うまくいかなかったら、型を壊してオモチャを取り出して、型をまた溶かしてやり直す。
プラスティックのオモチャの場合は、軽いから、型を流し込んだときに浮かんできちゃう恐れがある。そんなときは、容れ物の底にホットグルーで固定してから型剤を流し込む。容れ物の壁とオモチャの間には十分に余裕をとること。一部分が壁に触れていたり、近すぎると、そこだけ型が薄くなって壊れてしまう。
型剤を流し込む前の最後のステップは、水で薄めた木工用ボンドをオモチャにスプレーして、全体に手でよく馴染ませてから乾燥させること。あとは、ComposiMoldを電子レンジでチンして、柔らかくなったら容器に流し込む。オモチャの細かいすき間にもしっかり入るように、それから気泡が入らないように、ゆっくり丁寧に流し込むこと。あとは静かに冷ます。気が短い人は冷凍庫に入れてもいいわよ。型が固まったら、型の一部に切れ目を入れてオモチャを取り出す。完全に切り離してしまわないこと。くっついたままにしておけば、またぴったり合わさるし、型を流し込んでからズレることもない。
レジンが剥がれやすいように、型の内側にスプレーオイルを吹き付けて綿棒でよく塗りつける。型の切れ目をテープで固定したら、レジンを混ぜ合わせましょ。でも、どれくらいの量を混ぜればいいかしら。原型になったオモチャを水を一杯にいれたコップに沈めて、あふれだした量がオモチャの容積。これを別のコップに入れて、水面のところに印を付ければ、これがぴったり必要な量。実際は、これよりちょっと多めに作ること。
換気のいいところで、レジンを混ぜ合わせる。ポリエステル樹脂は臭くて、引火性で、肌に触れると炎症を起こすので、絶対に手袋をすること。それから、匂いを嗅がないこと。
説明書をよく見て、2種類の液体を分量どおりに混ぜ合わせる。これをゆっくりと型に流し込む。ときどき型を斜めにしたりして、気泡が入らないように、細かいところまで入れる。あとは数時間、静かに硬化させる。これで、オモチャのクローンができてるはず!
MINI_E04_molding_and_casting4.jpg
型作りもキャスティングも、とっても奥が深い。私が大好きなキャスティング師で『怪しい伝説』のアダム・サベージは、こう言ってるわ。「失敗はかならず起こる」。今回の私の失敗は、蜂さんの型の薄い壁がレジンが硬化するときの発熱作用で溶けちゃったこと。幸いComposiMoldが完全に溶けずに済んだけど。レジンを注ぎかたが悪かったり、気泡が入っちゃうのは、レジンキャストでは付きものの失敗。何度もやれば、だんだんうまくなるわ。できた複製は、色を塗れば完成。同じ型を使ってもっと作ったり、石膏や透明レジンやロウやゴムやコンクリートなんかを流し込んでも面白いわよ。チョコレートとかも (ComposiMoldには食品用もあります!)。
いろいろやってみてね。だけど安全にね。
– Becky Stern
訳者から:ComposiMoldは日本では売られていないみたい。熱で溶かす型どり剤はあるけど、あそこまで液状になるものは日本にないね。欲しいなぁ、ってんで、現在、メーカーに問い合わせたら、「PayPalで注文いただけます」とのこと。さっそく注文した。ComposiMoldには、食品用の型剤もあり、いろんな形のチョコレートが作れる。バレンタインデーに絶対欲しいよね。ってんで、これも注文しました。これまで、注文フォームの住所の欄に日本を指定できなかったんだけど、「直しておいたから普通に買えるよ」とのことでした。 注文ページ
チョコレート用はこのページのいちばん下で買えます。
原文