2011.02.10
蒸気機関車を目覚めさせる方法
蒸気機関車を “コールドスタート” させる Phil Jernの細かい解説がたまらない。
機関助手の座席の下には電気のコードが巻かれて置かれていた。私はそれを解き、壁からたらしてコンセントに挿し込んだ。運転室によじ登る。機関士の道具箱を開けると、点検用の電球を取り出し、運転室のコンセントに挿し込んだ。火室の扉を開けて中を覗くと、火室の前方、バーナーのすぐ前に燃え残った大きな炭の “骨” が残っているのが見えた。まいったな。私は道具を取りに貨車(昔のサザン鉄道の有蓋車だ)へ向かい、ツルハシとバケツを手に取った。運転室に戻ると、火室の右の扉の外側に電球を引っ掛けて、火室にツルハシを投げ込み、バケツは扉の前の床に置いた。足から先に火室に潜り込む。耐火レンガをなるべく動かさないよう気をつけながら足で床を探る。中から手を伸ばして電球を取った。ツルハシを見つけて、石のようになった炭の塊を砕く。欠片を拾い、ドアの外のバケツに投げ入れる。さらに電球で照らして火室の内部を観察する。ステーボルトに緩みや漏れがないか。火室の壁に並べられている耐火レンガの状態に問題はないか。そして、バーナーが詰まっていないかを確認した。発見できたのは、耐火レンガの緩みが2箇所ばかりだった。私はそれらを交換し、道具を扉の外に放り投げると、運転室へ這い出た。火室の中を見回して、忘れ物がないかを確認した。一度、火室にツルハシを忘れてきたことがあった。その日の終わりには、ツルハシは頭だけになっていた。
How to boot a steam locomotive [ありがとう、Jim!]
– John Baichtal
訳者から:休日運転用の蒸気機関車なので、普段は完全に火を消してお釜の中はすっきりきれいにしてあるんだね。そいつを明け方から始動させるという話。長いけど感動的。
[原文]