Electronics

2011.10.20

オープンソースハードウェアのlittleBitsが最初の決算 – そしてMoMAに収蔵!

Text by kanai


オープンソースハードウェアのメーカー、littleBitsが第一回の決算を迎えた。そして、MoMAコレクションに加わることも決まった。創設者のAyahの言葉だ。

littleBitsにとって、ビッグなビッグな日でした!
まずは、最初の決算を無事に終わらせることができましたことを報告します。3年半の手探りの研究開発(つまり血と汗と涙)の末、littleBitsは世界トップクラスのテクノロジーリーダーの出資を受けることができました。その中には、私のヒーローであるJoi(伊藤穣一)とニコラス・ネグロポンテも含まれています。
MIT Media Labの学生として、私は、テクノロジーは創造力を支える道具として何ができるか、というニコラスのビジョンを、直接、体験することができました。littleBitsは組み立て式の電子回路システムです。磁石で接続でき、試作や遊びに使えます。まさに、モールや竹ヒゴに相当する21世紀の工作おもちゃです。私たちが店で買うエレクトロニクス製品と、私たちが作るものとの垣根を取り払い、次世代の問題解決能力を育てます。
私がフェローを務めているクリエイティブコモンズの前CEOであるJoi(現Media Labディレクター)は、創造的な社会はオープンであるべきだという私たちの信念を具体化し、オープン化を新しいレベルへ引き上げてくれました。littleBitsはオープンソースです。設計変更やインターネットでの共有を進め、互いの創造性を学び合うという建設的なコミュニティを作りつつあります。Joiが力を貸してくれて、彼の基金(Neoteny Labs)が今期を支えてくれたことを、本当にうれしく思います。これは、彼がオープンハードウェアに対して行った初めて投資であり、これによってオープンハードウェア運動はさらに勢いづくことと思います。
今期は、このほかにもテクノロジー界の大物が支援してくれました。アラブ世界からは、レバノンの通信事業の先駆者Taha Mikati、アメリカで上場した初めてのアラブ系企業AramexのCEO、Fadi Ghandour。また、ベンチャーの守護者である個人投資家のJosh Spear、Jason Port、Joanne Wilson、Salah Chammaといった面々も投資してくれました。
もうひとつ、昨日知らせがあったのですが、littleBitsがMoMA(ニューヨーク近代美術館)に所蔵されることになりました! つまり、Bitsの最初のモデルがピカソとポストイットの間に展示されることになるのです。言うまでもなく、ものすごく名誉なことです。littleBitsはすでに、Talk To Me(2011年11月7日まで開催されているMoMAの特別展)において、現代の素晴らしいインタラクティブ作品のひとつとして展示されています。
この1年は、ほんとうに素晴らしい1年でした。New York Times MagazineやInc Magazineにも取り上げられ、Maker Faireでは最初のスターターキットを販売でき(残りあとわずかなので、欲しい方はお急ぎを!)、Editor’s Choice Awardまでいただきました。
次はなんでしょう? 私たちはウエストビレッジに素敵な共同スペースにオフィスを構えました。現在、ライブラリを充実させる新しい30のモジュールを開発中です。また生産能力も拡大する予定です。なかでもいちばん楽しいのは、学校の先生たちと協力して、授業や放課後の活動、または大学でもlittleBitsを使ってもらう計画を進めていることです(興味のある方はメールをください)。
そして、スーパースターを育てたり、スーパースター(または将来のスーパースター)を訪ねたりして、私たちのコアチームに引き入れたいと考えています。私たちの使命に同調される方々に、ぜひお会いしたいと思っています。

Ayah、そしてチームのみなさん、おめでとう。この間、彼女はオープンハードウェアサミットの副会長も務めてくれていた。そのお陰もあって、littleBitsは出資を受けた4番目のオープンソースハードウェア(Chumby、BugLabs、MakerBot、そして littleBits)となったのだ。
– Phillip Torrone
編注:日本では、スイッチサイエンスでlittleBitsスターターキットが販売されています。
原文