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2014.05.30

ミニマリストのためのArduino 8pino

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エンジニアの田中章愛さん、デザイナーの高橋良爾さんからなるユニット、VITROが、2014年5月17日、18日に開催されたMaker Faire Bayareaで、世界最小級のArduino「8pino」を発表しました。

これは、指の上に乗るほどの小さいArduinoで、microUSB対応、ブレッドボートとの互換性などにも配慮。8ピン端子で、幅8mm、演算周波数は8MHzと、とことん数字の「8」にこだわった仕様になっています。

8pinoは、もともとは、VITROがその作品を制作する際に必要に迫られて開発されたものです。VITROはペンで書いた距離を計測する「trace」や、光の滴を線香花火に見立てた照明作品「DEW」などのデザイン性を重視した作品を発表しています。その開発の際に、デザイナーの意図をできるだけ損なわずに作品を作りたいという思いから8mmという世界最小級Arduinoの開発に至ったそうです。

小さすぎて入出力ピンが足りなくても、2枚の8pinoを使えば解決できます。また、2枚の8pinoを積み上げれば、専有面積も少なくて済み、デザインの自由度も上がります。手軽に小さな作品を作りたい。それもあまり時間をかけずに。それぞれが別に本業を持っている「放課後Maker」のユニットだからこそたどり着いたプロジェクトといえるでしょう。microUSBを使うことで、開発のハードルもより低いものとなりました。ブレッドボードやユニバーサル基板との相性も考え、基板のピン配置には、2.54mmピッチを採用しています。

小さければ小さいほど、外側のデザインの自由度はあがります。LEDで光るイヤリング・ネックレス・指輪などの電子アクセサリーやウェアラブルデバイスなど基板に割けるスペースがほとんどない用途には最適です。現在は趣味レベルの性能ですが、数年もすれば技術の進歩に合わせて性能向上した次のバージョンが出せるかもしれません。8pinoが提示する圧倒的な小ささは新たな価値を生むことでしょう。
8pinoは8月8日に8ドルで発売される予定です。

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─ Akichika Tanaka(VITRO)/ Photo by Asuka Kadowaki