2011.03.17
Gadgeteer試用メモ
先日、マイクロソフトの新しいハードウェアを使う機会が与えられた。去年の秋、私はWorld Maker FaireでColin Millerに会い、このシステムの説明を聞いていた。Gadgeteerだ。これは簡単にデバイスが作れて、プログラムができて、プロジェクトのケースまで作れるというものだ。水曜日の朝まで、私のクラスにはコンピューターのプログラムを書いた経験のある生徒はほとんどいなかったが、金曜の午後には、全員が、自分で作ったセンサー入力と外部出力を持つ回路のプログラムを書いていた。
これは新しいシステムなので、高校の授業で教師が頼りにできるプロジェクト例が大量にあるわけでも、説明書やサンプルコードが充実しているわけでもない。とにかく、生徒にハードウェアを紹介して、初歩的なプロジェクトのためのサンプルコードを示して、みんなに使ってみるよう指示するだけだ。何人かの生徒は、すぐに要領を得て、サンプルコードを入力して回路を動作させていた。さらに、プログラムやハードウェアに自分なりの変更を加えたりもしていた。一方で、コードのエラー箇所を突き止めるために手助けが必要な生徒もいた。また、プログラムで完全に行き詰まってしまった生徒もいた。
ほとんどのトラブルはコードのタイプミスだ。言語を学ばせるために、私たちはコードをデータではなく、紙にプリントしたものを渡してタイプさせたのだ。コピーアンドペーストができれば話は早いが、それではコードの仕組みを学ぶことができない。
学校という場所では、しっかりとパッケージ化されて検証された情報が求められる。これには、学習内容ともしものための安全柵の準備を援助する、ハードとソフトの両面の仕組みが数多くある。しかし、Gadgeteerのような最新のツールの場合は、生徒の強い関心と根気と自主性に頼ることになる。これに応えてくれる生徒もいれば、そうでない者もいる。これに応えられない者は、伝統的な授業の仕組みにいらだちを見せる。すべての生徒の要求をひとつにまとめるのは非常に難しい。
3日間のプログラムと実験が終了するときには、多くの生徒がフィジカルコンピューティングを楽しかったと話してくれた。放課後も自主的に残って、プログラミングによって自分が作ったデバイスの動作を改良しよう何時間もがんばる生徒も数人いた。彼らは、それまでプログラムを書いたことなど一度もなかった。このチャレンジがきっかけとなって、彼らは今でも独自のプロジェクトの開発を続けている。これは、学校でも家庭のコンピュータでもアクセスできるマイクロコントローラとソフトウェアを使ってもできることだ。
このプロジェクトに関する詳細はこちらをどうぞ。ワークショップの写真はこちら。
– Chris Connors
[原文]