2007.08.30
激安ぜんそく対策デバイス(楽に呼吸ができる折り紙)
折り紙で呼吸が楽に……-
メキシコでは800万人以上の子供たちがぜんそくに悩まされている。こうした子供たちとその家族は、激しいぜんそくの発作を抑えるために、何時間もかけて都会の病院へやって来る。そして長時間、順番を待たされることになる。さらに悪いことには、将来の発作を予防する手だては何一つ与えられず、家に帰されてしまう。それが、肉体的にも経済的にも過酷な病院通いを繰り返させるという悪循環を生み、結果として、ぜんそくによって死亡する子供の数が世界第8位(1.45%)という数字に繋がっている。
保険に入っていないメキシコ人のために、地方で無料の初期医療を提供している診療所の医師たちでも、ぜんそくの診断はでき、発作を鎮める医薬品の用意はあるのだが、問題は、その医薬品を効果的に経済的に投与する方法がないことだ。メキシコ医療センターでは、薬剤を霧状にして吸引させるぜんそく用吸入器を備蓄しているが、これは子供の肺には適さない。薬剤を適切に吸引させるには、吸引器が薬剤を噴霧すると同時に子供に深く息を吸わせる必要があり、幼児にはこれがなかなか難しい。とくに発作を起こして呼吸困難に陥っている場合はなおさらである。そのため、薬剤は肺で吸収されずに口や喉で吸収されてしまい、望ましくない全身性副作用を引き起こすことになる。
こうした問題を排除するために、吸入器は、一般に”スペーサー”と呼ばれる装置と併用される。スペーサーとは、吸入器に接続する空気室で、ここに薬剤を噴霧することで、子供が吸い込むまで薬剤をとどめておくことができるというものだ。とても効果的な装置なのだが、コストの関係で($50と送料)メキシコ医療センターにはその準備がない。そこで我々は、紙を正確に切ったり折ったりするだけで作れるスペーサーを考案した。経費は約25セント。コスト削減率は99%以上だ。さらに、この装置は平らな紙のまま輸送でき、現地で簡単に組み立てられるので、切手を1枚貼るだけで何百枚も送ることができるのである。
Respira!: An Extremely Affordable Device for Better Asthma Care(英語) – Link
訳者から: これもある種のオープンソースハードウェアではないかしら。すばらしい発明だよね。
[原文]