2009.03.31
Checkin' In: アーティストにして科学者 Natalie Jeremijenko
環境問題研究家、アーティスト、科学者、活動家、エンジニア、これらはNatalie Jeremijenko(ナタリー・ジェレミジェンコ)のほんの一部の肩書きに過ぎない。彼女は常に、数多くの才能を融合させたプロジェクトを捻り出そうとがんばっているように見える。2005年発行の Make英語版 Vol.02でナタリーのインタビューを紹介しているが、その中で彼女はこんな前向きな総括をしている。「私は、技術的革新がもたらす文化的な好機を探っているのです」
彼女は、とくに環境問題をからめたロボット同士の相互作用と、ロボットと生き物との関係を主題にした”社会ロボット学”の研究を重ねてきた。たとえば、オランダでは、他のガチョウの声を録音して再生したり、他のガチョウを追いかけて一緒に遊ぶロボットのガチョウを使って、鳥のコミュニケーションの方法を調べる実験を行っている。我々は、彼女のFeral Robotic Dogs(野生ロボット犬)プロジェクトに焦点を当てた。これは、オモチャのロボット犬をハックして「娯楽目的から、地域の材料状態を探索(および闘争)のための活動用の道具に転換する」というものだ。そんな彼女の指導によって、カリフォルニア大学サンディエゴ校の学生たちは、オモチャのロボット犬をハックして、ミッションベイ埋め立て地の有害物質を嗅ぎ出す活動を行った。
最近、ナタリーは、ニューヨーク大学のxDesign Environmental Health Clinicで主任を務めている。これは「環境システム改善のための、地域に最適化され遊び心あふれる戦略を考案し処方し、測定可能でメディア受けするな結果を出して、効果的な改革のためのさまざまなプロジェクトを支援する」環境の”病院”だ。利用者は予約をとり、病気のことではなく、環境の問題について相談できる。帰り際には、薬の処方箋のかわりに、活動の処方箋と、参加を推奨する団体やプロジェクトのリストをもらう。ナタリーのプロジェクト計画には際限がない。そこには、Fwishも含まれている。ロボットブイのグリッドで、水質と魚の存在などの情報をカラーLEDで視覚化するというプロジェクトだ。
Mass MoCAで展示中のもうひとつのプロジェクトは、TreeLogicだ。6本のサトウカエデの木を逆さまに植えた逆街路樹だ。地上9メートルの位置からつり下げられている。
そして、開発中のプロダクトとして、位置を変えられる太陽電池パネル、GreenAwningがある。
これらは、氷山の一角にすぎない。おまけに彼女は、イギリスのロイヤル・カレッジ・オブ・アートの教授や、Institute for the Futureの非常駐アーティストを訪ねている。ナタリーと彼女のプロジェクトに関してもっと知りたい方は、xDesignのサイトを見てほしい。Make英語版 Vol.02のバックナンバーは、the Maker Shedでお求めになれます。
– Goli Mohammadi
[原文]