2010.01.27
電子フロンティア財団レポート – 2010年注目の12のトレンド
EFF – 12 Trends to Watch in 2010(Tim Jones)
新しい年が始まった。そこでEFFでは、電子的市民の自由の最前線の高みから見渡し、2010年のネットワーク上の権利を形作るうえで大きな役割を果たすであろうと思われる法律、技術、ビジネスのトレンド12件を選んだ。年末にこの記事を見直して、どうだったかを検証しよう。
うーっ!
4. ハードウェアハッキング:閉じられたプラットフォームやデバイスをオープンにする
ホビーストのコミュニティーの活動がますます活発になり、幅広いデバイスをより便利にオープンに作る方法を編み出している。彼らは新しいソフトウェアやサードパーティーの部品や装置やサービスを、ゲーム機、プリンター、ポータブルオーディオ機器、ホームエンターテインメント機器、電子ブックリーダー、携帯電話、デジタルカメラ、プログラム電卓などの独占的技術によるハイテク機器に組み込む方法を研究している。そうそう、忘れてならないのは、自動車とガレージのドアの規制との戦いだ。
腹を立てた製造業者が法律を笠に、こうした個人の愛好家たちに脅しをかけることがよくある。そんな脅しには、法的根拠が薄いものが多いのだが、だからと言って製造業者が自分たちの発明品に手を出すなと愛好家たちをいじめる問題が減っているわけではない。
EFFの役員、Ed Feltenが行った2006年の予測が的中したわけだ。彼の予想は、“デジタル権利管理” のための論理的根拠が変化し、デジタル権利管理で著作権の侵害を阻止できるという危うい主張から離れて、デジタル権利管理を全般的な製品の機能の制限(コピーとはあまり関係のない方法で行われる)に使うようになるというものだ。
2009年、EFFは米国著作権局に対して、スマートフォンのロックを外して自由にするホビーストのための権利を守るよう要請した。また、新しいオペレーティングシステムをTIのプログラム電卓にロードする方法を開発した人たちのために立ち上がった。EFFの審査団は、Adafruit IndustriesのLimor Friedに、ハードウェアハッキングコミュニティーを勇気づけ、今後も有意義な活動を続けられるようにと、Pioneer Awardを贈呈した。
2010年、スマートフォンの解放運動は主要な活動のひとつになるだろう。この考え方は、当然のことながら他のデバイスにも当てはまる。EFFのCoders Rights Project(コーダーの権利プロジェクト)では、ハードウェアを最初の設計よりももっと多機能にしたいと考えるユーザーや開発者の保護のために努力を惜しまない覚悟だ。
Makerのみんな、2010年注目のトレンドは何だ?
訳者から:デジタル著作権管理技術について、Ed Feltenは2006年のレポートでプリンターのビジネスモデルを例にあげて説明している。プリンター本体を安く売って、代わりに高いトナーカートリッジを買わせて利益を回収するというアレだ。メーカーは自社製のカートリッジを買ってもらわないと困るので、カートリッジにチップを埋め込んで、自社製と認識されないと使えないという工夫をする。こうした認証用デバイスは技術の発達によりサイズもコストもゼロに近くなり、あらゆるものに搭載されるようになる。たとえば、同じメーカーの紙にしか書けないペンなんかが登場する日も近いかも、と彼は話している。こうして、物の互換性がどんどん縮小していくという。いやーん。
– Phillip Torrone
[原文]