The Data-Driven Life @ NYTimes.comでは、コレクターではなく「トラッカー」と呼ばれる人たちを取材している。
人は過ちを犯す。真実を見誤り、判断を誤る。私たちは、私たちの視野の中に盲点を作り、意識の流れに溝を作る。ごく単純な質問に答えられないことも少なくない。先週の今ごろ、自分はどこにいただろうか? この膝の痛みはいつから始まったのか? 自分は1日にどれくらいの金を使っているのか? こうした弱点は不利益を生む。私たちは、中途半端な情報で判断を下す。憶測で針路を決めなければならない。これには骨が折れる。
しかし、そういう人もいる一方で、データを使う人もいる。Robin Barooahのコンピューターにはタイマーが回っている。そこには、彼がアメリカに来てから8年2カ月10日と表示されている。イギリス生まれで現在カリフォルニア州オークランドに住む38歳の自営ソフトウェアデザイナー、Barooahは、人生のいたるところで、睡眠時間や栄養状態など、細かい記録を付けている。
数ヶ月前、Barooahはコーヒーをやめた。彼のやりかたは正確だ。大きなカップにコーヒーを入れ、毎週、20ミリリットルずつ減らしていく。そして、カップの底に数滴残る程度になるまで4カ月以上もこれを続ける。最後のコーヒーを飲み終えて、「治った」と彼は感じる。それ以前に挑戦したコーヒー絶ちのときのように、頭痛もなければ極端な禁断症状もなかった。
みんなは、何か記録を付けてる? 日々の活動の記録を付けるための、特別な装置とか技とかある? ボクは今、RunkeeperとNike+を組み合わせて走ってる。Wi-Fi体重計をテストしながら、しばらくテキストファイルで時間も計っていた。冷蔵庫ではArduinoが温度と使用回数を記録している(ロガーシールドのベータ版だ!)。
– Phillip Torrone
[原文]