Kids

2010.07.23

ハッカースペースに子供の居場所はあるか?

Text by kanai

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Jarkko Moilanenは、ハッカースペースに子供の居場所があるかという面白い記事を書いている。この問題は、先日のMake: Dayでも話題になった。
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私はMakeテーブルを担当していた。そこで、私たちのハッカースペース、Hack Factoryについていろいろな人に説明をした。そのなかには家族連れも何組かあり、子供が参加できるハッカースペースはないものかと尋ねられてた。彼らの子供たちは、非常に頭のいいティーンエイジャーで、学校で教わることは簡単すぎるという。そんな理工系の子供たちが遊べる場所がぜひ必要なのだという。その後の会議でこれについて話し合ったところ、我々の規則では子供の参加を認めていないことがわかった。

一部のハッカースペースには、保護者の同伴なしに18歳未満の子供は入れないという規則がある。理由はさまざまだが、もっとも一般的な理由は事故の予防だ。ハッカースペースで事故が起きれば、国によっては法的な処分を受けることもある。
「すべては責任と考え方の問題です。保険を掛けていれば問題ないでしょう。掛けていなければ、子供を受け入れるための資金を用意する必要があります」
「安全上の理由により(中略)子供たちは絶対に受け入れられません」
上のような考え方になるのは理解できる。大抵のハッカースペースには、溶接機械、木工工具、工作機械、薬品、可燃物などが置かれている。しかし、こうしたものだけがハッカースペースを危険な場所にしているわけではない。問題は施設そのものにもある(階段や、床に物が散乱しているなど)。そのため、事故の危険は常に転がっている。誰も気がつかない間に子供が大怪我をする可能性もある。大人にとっても危険な場所なのだが、大人は慎重に行動できるし自己責任感もある、とされている。一方、子供はしょっちゅう怪我をしている。では、どうしたらいいんだろう。子供の社会勉強という観点からハッカースペースを見たらどうだろう。監視付きでなければ子供を入れないという方針は間違っていないが、別の考え方もあるはずだ。一部のハッカースペース(とくにアメリカ)では、大人が権利放棄証書に署名するという方式をとっている。これに親が署名をした子供たちは、ハッカースペースには親と来て、親が面倒を見ることになる。または、親が子供の権利放棄証書に署名する。これには、ハッカースペースでの活動に興味のない親を持つ子供たちの場合はどうするかという問題は残るが、実用的で有効な方法に思える。地域にもよるが、子供に対してもっと厳しいハッカースペースもある。ハッカースペースは保険会社が想定するカテゴリーに収まらないために、保険に入れないという問題もあるからだ。会員のゲストとして子供を受け入れるというハッカースペースもある。この場合は、招いた人間がその子供の安全上の責任を負う。

みんなはどう思う? 子供たちをハッカースペースに誘うべきだろうか。それとも、大人と同じぐらい頭がよくて能力もあるたくさんのティーンエイジャーたちを、適当な口実を作ってクールな学びの場から閉め出すべきだろうか。コメント待ってます。
[写真提供:Sunset SparkMAKE Flickr Pool でもっと見られます]
– John Baichtal
編集から:日本とはいろいろな事情が異なっていますが、米国の状況を知ることができる記事として掲載しました。余談ですが、Maker Faireでも自作の乗り物や遊具に乗る際には、あらかじめ免責の書類にサインが必要です。
原文