2010.08.31
技術系ユーモア:ジョーク白書
技術職というものはドライな仕事だが、技術者にはきらりと光るユーモアのセンスがある。大企業で退屈な仕事に就いている技術者は、ときどきジョーク白書を世間に発表しては息抜きをしている。いくつかを紹介しよう。
RFC1149
もっとも有名なネットワークジョークは、RFC 1149だろう。1990年のエイプリルフールにDavid Waitzmanが発表したものだ。これには、非常に低速でオーガニックなネットワークである伝書鳩でIP通信を行う方法が記されている。
航空キャリヤは、非常に遅く、低スループットな低空サービスを提供する。接続トポロジーは、標準的キャリヤを使用した場合、キャリヤごとに一点と一点を繋ぐ線に限定されるが、春先以外の季節なら、複数のキャリアを相互干渉なしに同時に使用することが可能である。これは、IEEE802.3が一次元的イーサネット空間しか持たないのに対し、このキャリヤが三次元イーサネット空間を利用できるためである。このキャリアには本質的に衝突回避システムが備わっており、大量の同時使用を可能にする。パケット無線など、一部のネットワーク技術と異なり、通信が見通し距離で限定されることもない。接続関連サービスもいくつかの都市に存在している。通常これらは、セントラルハブ型トポロジーに基づく設置となっている。
じつにアホらしいんだけど、ドイツのグループが2001年に実際に行ったプロトコルテストでは、鳩を使ってPINGコマンドを送ることに成功したそうだ。Internet Engineering Task Force(IETF)では、毎年エイプリルフールの日にジョークRFCを発表している。
書き込み専用メモリー
もうひとつ、伝説のジョークは「完全符号化 9046xN ランダムアクセス書き込み専用メモリー」のデータシートだ。半導体メーカーのシグネティクスが発行したもの。これにはおかしな機能がある。
シグネティクス25000シリーズ 9046xNランダムアクセス書き込み専用メモリーは、エンハンス、デプレッション両モードのPチャンネル、Nチャンネル、Neu(注1)チャンネルMOSデバイスを採用しています。静的デバイスながら、オンボードのマルチポート・クロック発生器を駆動するためには、シングルTTLレベルのクロックフェーズを必要とします。データのリフレッシュはCBおよびLH期(注2)に実行されます。4ステート出力(可能な場合)では、組織によっては多方向に拡張が可能です。
(注1)Neuチャンネルデバイスは、ゲートの極性に関わらず、同時またはランダムに増強及び消費を行う。何もしないいこともある。
(注2)CB はコーヒーブレイク、LH はランチアワー。
全体の構成がめちゃくちゃ変。とくに、「ビット容量と温度」と「残りピン本数とソケット挿入数」のグラフが可笑しい。(ありがとう、Mitch!)
有機発光システムの特性
ディジタル・イクイップメントの研究者たちは、昼食後には仕事をする気がなくなるのか、食べ物を光らせる実験を行った。この研究結果はCharacterization of Organic Illumination Systems(有機発光システムの特性)という白書にまとめられた。ピクルスを光らせるための研究資料としては、これ以上のものはない。
近年、有機素材を使った摩擦発光と電界発光に大きな関心が集まっている。Life Saversのwintergreen味の摩擦発光は多くの研究者の長年の研究対象となっており、有機被膜の電界発光は、今日、我が国のみならず海外においても、活発に研究が進められている。
1988年12月初頭、Bill Bidermannによるピクルスの電界発光の研究に我々の関心が集まった。ディル風味のキュウリのピクルスに鉄の電極を挿入し、適度な交流電流を通すとピクルスが発光するというものだ。続く、1989年1月の研究報告では、協同実験の結果が書かれている。我々は、この現象に潜むメカニズムへの理解を深めるため、そして製品への応用の可能性を探るために、この現象を調査することに決めた。
ピクルスが感電死する様子を見たことのない人のために、ビデオがあります。(ありがとう、Galen!)
ほかにも笑える白書を知ってたら、コメントで教えてね。
– Matt Mets
訳者から:Lifesaverはドーナッツ型のキャンディー。砂糖を多く含むキャンディーをかみ砕くと、摩擦発光現象によってかすかに光る。そのWint O Greenってやつがいちばん光るそうです。
[原文]