2014.11.24
Maker Faire Tokyo 2014に出展されたドローンをまとめて紹介―ソラカムプロジェクト、Cartivator、徳島大学工学部機械工学科制御工学研究室、みのくら[MFT2014レポート]
Makerムーブメントにおいて、人気が高いアイテムのひとつがドローンだ。Maker Faire Tokyo 2014においても、会場でいくつものドローンが見られた。それらのドローンをまとめて紹介しよう。
ソラカムプロジェクト
事前レポートでも紹介したソラカムプロジェクトは、スノーボーダーを自動追跡して撮影するためのドローンだ。会場では、今年開発した最新機を筆頭に、合計3台のドローンを展示。
2013年に製作した2号機。今回のデモで主にこちらを飛行させていた
今年製作した最新機種。フラットなデザインは、業務用機械のような無機質さを狙ったもの
また、屋外展示場では、実際にビーコンを持つ人をドローンが追いかけるデモンストレーションも行った。GPS電波の受信不良などトラブルに悩まされたが、デモでは「犬の散歩」のように、ソラカムがビーコンを持つスタッフを見事に追いかけていた。
後ろ向きに歩くビーコンを持つ人(左)をソラカムが追いかけていくデモ。時速40kmくらいまでは追従可能になる予定
Cartivator
Cartivatorは、「空飛ぶ車」を製作するプロジェクト。自動車メーカーや自動車部品メーカーに勤務する若手有志が集まり、2017年までに1/1の試作機を製作予定だ。これまで1/5の試作機でテストを重ねてきており、会場でも同機の展示とデモンストレーションを行った。
地上を走行時には3輪で走り、飛行時は四隅のプロペラを展開する。形態としては一般的な4発型のドローンに似ているが、最終的には人が乗れることを目指していることと、プロペラの配置が正方形ではなく長方形になっているのが特徴だ。
徳島大学工学部機械工学科制御工学研究室
徳島大学の三輪昌史准教授が率いる制御工学研究室は、飛行ロボットの制御がメインテーマ。Maker Faire Tokyo 2014では、さまざまな形状のドローンを展示して注目を浴びていた。
ロケットに見えるがれっきとしたドローン。下部に2発のダクトファンを搭載
サンダーバード1号を模したドローンは、ダクトファンを2軸のジンバルで傾けることで姿勢制御している。デモンストレーションでも安定した飛行姿勢を見せていた。
屋外でのデモンストレーションは、安定した飛行姿勢を見せていた
4発型のドローンは、プロペラがチルトすることで、機体を傾けることなく水平移動が可能。将来的には翼を取り付け、プロペラを水平方向までチルトさせ飛行機として飛ぶことを目指しているという。
4発のチルト式プロペラを搭載したドローン。将来的には翼を備えた、飛行機モードに対応予定
同研究室では、所属学生はひとりにつき1台のドローン開発が義務のため、さまざまなドローンがある
みのくら
みのくらさんは、過去のMaker Faireやニコニコ動画で「勝手に入るゴミ箱」などを披露、Makerとしてよく知られているエンジニアだ。今回は「ゴミ箱」に加えて、倒立振子とドローンを展示していた。ドローンは、正八面体のフレーム内に二重反転プロペラを搭載したタイプ。現在は姿勢と出力の制御のみだが、今後は各種センサーを搭載して、自動飛行や追尾などを実現する予定。
みのくらさんの二重反転プロペラを搭載した飛行ロボット。将来的には自動飛行などさまざまな動作を実現予定
– 青山 祐輔