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2019.05.17

Maker Faire Kyoto 2019 レポート #4:京都に現われたさまざまなロボットたち

Text by Yusuke Aoyama

どのMaker Faireでも人気がある展示がロボットだ。驚くような動きを見せるものから、京都らしいものに、作者のイマジネーションが炸裂したものまで、京都にもさまざまなロボットが登場した。

来場者の出迎えはド派手なロボットバンド

会場に入って最初に来場者を出迎えたのが、音楽研究所によるロボットバンドだ。鉄琴×2にドラムに鈴と合成音声によるボーカルという5ピースバンドによる生演奏は、きらびやかに光るLEDもあいまって、インパクトが大きかった。ロボットが「大吉」と筆で書いてくれるおみくじロボットと合わせて、ブースから子どもたちの姿が絶えることはなかった。

人よりもじっくりゆっくり編んでゆく組紐ロボ

京都らしい展示で注目を集めていたのが、MakeLunaによる組紐ロボットだ。自動的に組紐を製造する産業機械は以前から存在するが、この組紐ロボは、マイコンとDCモータと3Dプリンタで作った部品とを組み合わせて、古くから人の手作業による組紐工程を自動化したもの。

動画を見るとわかるが、その動作は正直なところのんびりとしたもの。だが、1本1本の紐をシンプルな動作で操って、少しずつ組紐が出来上がって行く様は、時間を忘れて見入ってしまう。制作者によると「3Dプリンタのように機械が何かを作っている様子を見るのが好きだから作った」んだそうだ。

お伽噺のようでもSFのようでもある黒檀と真ちゅうのロボット

まるでオブジェか民芸人形のように見えるが、これも実はロボット。ナカタニコーイチさんが出展した「怪しき合唱隊」は、ほとんどの部品が黒檀と真ちゅうでできており、レトロフューチャーSFのような世界観を作り出していた。

驚くべき事に、ロボットをコントロールしている回路もすべて黒檀と真ちゅうで構成。黒檀の基板にPICをマウントし、真ちゅう線の空中配線によってロボットを動かしている。

美しさとたくましさの理想を追求した2体のロボット

常に人だかりの絶えなかった真広(まひろ)・テクノロジーのブースでは、キュートに踊る女性型ロボット「ST-01」と、自力で起き上がり力強く歩く二足歩行ロボット「TS-00」のデモンストレーションを行なっていた。

「ST-01」は女性的なプロポーションの上に、しなやかでスムーズな動きによって実現するダンスは常に注目の的。ロボットが動き出すと、すぐに人だかりができていた。もう一機の「TS-00」が力強くある様子は、子ども達に大人気。フロアを歩き出すとすぐに子どもが近づいてきて、興味深く見つめていた。

ペンプロッターにとりつかれたメイカーの夢

ブースにずらりと10機以上ものオリジナルペンプロッターを展示していたのは、いしかわきょーすけさん。

いずれも手の平に載せられるくらいのサイズだが、それぞれ構造が異なっていて、それらが同時に文字や図を描いている様子は、まるで何かの製造工場のよう。同じ目的の機械でも、それを実現するために、さまざまな構造やメカニズムを取り入れており、思わずじっくりと見入ってしまう。

いしかわさんがプロッターを作る理由は、X軸とY軸が連動して動く機械が好きだからだとか。いずれのプロッターも、機構のアイデアを自分で考え、数日で一気に作り挙げたもの。