2024.03.03
「Kariya Micro Maker Faire 2024」速報レポート:ついに開催された愛知県初のメイカーフェアは、企業内メイカーから学生までハイレベルな展示
愛知県で初のメイカーフェア「Kariya Micro Maker Faire 2024」が開催した。会期は3月2日と3日の2日間。マイクロと銘打っているが、約60組の出展者で会期も2日間、ステージプログラムも目白押しと、かなりの規模となっている。
13時の開場時には、50名ほどの行列ができ、大人から子どもまで多くの来場者が詰め掛けていた。今回は、初日の様子と、いくつかの出展者を紹介しよう。
NAGOYASHACHIHOKO(ブース D-1)
NAGOYASHACHIHOKOは、中国のドローンメーカーであるDJIが主催する世界最大級のロボットコンテスト「RoboMaster」に出場するため、東海地区の大学生や高専生によって結成されたチーム。RoboMasterは、車輪で動き、プラスチックのボールを打ち出すロボットによって、ゲームやバトルなどによって競うというもの。
会場ではRoboMaster競技のために開発したロボットのデモンストレーションを行っていた。ロボットはメカナムホイールによって全方向に素早く移動できる、かなりの運動能力を持っている。また、ロボット本体が動き回っても、弾丸の発射口は常に一定方向を向き続ける制御が行われており、標的を狙いやすいようになっている。
AHoDRI(ブースE-1)
AHoDRIでは、自作のドローンをいくつも展示している。一般的な四つのプロペラを持つタイプだけでなく、垂直離着陸機型でティルトローター式の機体などオリジナルの機体も多数開発している。どれも実際に飛ぶことができ、会場ではデモンストレーションできないが、YouTube上で飛行動画を公開している。
主催の梶田さんは、自動車メーカーに勤務するエンジニアで、1日目のステージプログラム「企業内メイカーな生き方:ワーク・メイクバランス」にもパネリストとして登壇している。同ステージについては別途レポートする予定だ。
DMC関連(ブースD-1等)
自動車部品メーカーのデンソー社員によるメイカーサークル「DMC」は、多くの展示を行っているほか、KMMFの企画・運営にも協力している。
DMCブースでは、教育向けの自作用ロボットカーキット、Maker Faire Tokyo 2023にて「Mouser Make Awards 2023」のMFTオーディエンス賞を受賞した“エモい渦を作る”「Uzurium」、マイクロマウス関連の展示を行っていた。また、NHKのTV番組『魔改造の夜』に“チームDンソー”として参加した際に制作したモンスターである、DVDプレーヤー「魔の超特急0系」とぺんぎんちゃん人形「跳躍戦隊ペンギンジャー」も展示していた。
ステージプログラム(プレゼンステージ)
会場内に設置された特設ステージでは、出展したメイカーによるプレゼンテーションや、高須正和さんによるコロナ前後での世界のメイカーフェアの状況について紹介するセッション、大企業に所属しながらメイカー活動を行うエンジニアによるパネルディスカッション「企業内メイカーな生き方:ワーク・メイクバランス」などが行われた。いずれのセッションも立ち見が出るほどの盛況ぶりで、特に「企業内メイカーな生き方」は、会場からの飛び入り参加もあって、かなりの盛り上がりを見せた。なお、このセッションについては、後日レポートを掲載する予定。
プレゼンステージでは2日目(3月3日)にも、多くのプログラムが企画されている。個人のメイカーから、メイカーフェアがきっかけになって起業したスタートアップ、企業内メイカーによるパネルディスカッションなど、興味深い企画が目白押しだ。