2009.04.13
誕生日おめでとう! 甲殻バイオノート君!
過去5年間の Make誌の中でいちばん好きなプロジェクトのひとつが、Vol.10(英語版) に掲載されたTabletop Biosphere。Martin John Brownの記事だ(日本語版では、Vol.4に「ガラス瓶の中の生物圏」として翻訳記事を掲載)。バイト君たちは、このプロジェクトを大いに楽しんだんじゃないかと思う。沼に行って泥んこを救って、熱帯魚ショップの素敵なお姉さんに、絶対にうまくいくはずがないわ、と言われながらもエビを買ってきたり。
私も、このプロジェクトの生物学的な側面が楽しかった。技術系雑誌にちょいとした哲学的なジレンマを投げかけた記事でもあったわよね(この世界を創ったことは正しかったのか? うまくいかなかったとき、この世界に封印された彼らの運命を終わらせてしまうのか?)。今、これを書きながら窓の外を眺め、次に 2007年にインターンたちがきっちりと密封してくれたバイオスフィアに目をやり、思った。この中のエビは、バースデーケーキを欲しがるかしらと。なぜなら、このエビのジョージがビンの中に閉じ込められてから、今日がちょうど2年目になるからだ。彼は今でも健在! だから、お誕生日おめでとう、エビのジョージ! 蓋は一度も開けられていないので、酸素の補給はしていない。小学生の悪ガキどもにビンを逆さにされたこともある。Maker Faires に2回出張したこともある。そしてこれがきっかけとなって、KQEDテレビの番組 “Quest” で、新しいバイオスフィアが創られた。
甲殻類バイオノートの長生き記録がギネスに認定されるかどうかはわからないが、このエビの寿命は1年程度だろうと思っていた。バイオスフィアも3~6カ月でダメになると予想していた。でも、驚くべきことに、それよりずっと長持ちしている。この輝かしい日を迎えるにあたって、私は、編集者やバイト君たちや知り合いたちから、3年目の歴史を刻み始めるエビのジョージに贈る言葉を集めてまわった。
彼らの言葉を紹介しよう。
- Make編集長 Mark Frauenfelderの言葉。「この困難な時勢にあって、知恵と勇気に満ちあふれるジョージは、我々に希望を与えてくれる。ジョージに長寿を!」
- Makeの元インターンのMatthew Daltonは、ジョージの誕生日であることを伝えると、感極まってこう応えた。「行け-、ジョージ! みんな応援してるぞ! すごくうれしい。彼はボクの子供なんだ(涙)。たくさんのエビの中から彼をすくい上げたときのことを、覚えているよ。彼は、愛に溢れた家を求めているように見えたんだ。ホントに、最高のエビだよ!」
- Makeのクリエイティブディレクター Daniel Carterは、最初は信じられないという顔を見せた。「ウソだろ。あのチビ助がまだ生きてるって?」そのすぐあとに、彼はジョージの人生の映画化権の獲得を決意した。さらに、フォトエディターのSam Murphyもそれに乗ってきた。「新しいマスコットの誕生よ! 修理屋ジョージ! 彼の背景ストーリーを作りましょう。Shawnのコンピューターが発した電磁波を浴びたジョージは、Makeのすべての情報を吸収してスーパー・シュリンプになるのよ」
バイオスフィアを作ったことのある人、または、びっくりするような結果を出した人がいたら、コメントでその話を聞かせてね。
誕生日おめでとう、ジョージ!
– Shawn Connally
訳者から:
2年前、ボクも娘と作りました。大きなビンを2つ買って、近くの公園にある、農薬を使ってなさそうな体験学習用の田んぼから泥を採取してきた。中には水草だけを入れた。なんか生き物が湧くだろうと期待してエビは入れなかったんだよね。しかし、なにも生まれず。でも、あれから2年。日当たりの悪いところに置いたビンはドロドロになっちゃったけど、日当たりのよい場所に置いたほうは、今でも水が透明で水草も緑を保っている。エビ、入れておけばよかったー。
[原文]