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2012.12.03

「なにか作るもの」を贈る

Text by kanai

友人で、ピッツバーグ子供美術館の常任理事を務めているJane Wernerは、スコットランドを旅した際に、エジンバラのOld Children’s Bookshop(大きな子供の本屋)を訪れた。「その本屋の名前が気に入ったの」と彼女は話す。そこで彼女は、『Something to Make』(なにか作るもの)という本を見つけて、私のために買ってくれた。この本はロンドンで発行されたもので、この1冊は、もともと1916年に「Mumm」(母親)からHelenに贈られたものだ。
Something to Make children's book
1916年に発行された、子供に物作りを奨励する本。

本はこんな詩から始まっている。

SOMETHING TO MAKE(なにか作るもの)
There’s lots you can do — and who can doubt it? –
 できることはたくさんある。それはホントのこと。
If only you knew how to set about it.
 もし、どう始めたらいいかがわかれば
If someone would only the trouble take
 もし、誰かが手伝ってくれて
To give you a notion of Something to Make.
 なにかを作ろうと思わせてくれたら。
What one’s made one’s-self, I’ve always thought,
 いつも思う。自分で作ったもののほうが
Is better than anything given or bought –
 もらったり買ったりするものよりいいと。
We’re not so afraid of spoiling or breaking it —
 ダメにしたり壊したりするのは怖くない。
Besides one has had the pleasure of making it.
 それ以上に、それを作る喜びがある。
So here are a few remarks to show
 そこでちょっと言わせてください。
The kind of jobs you might try, you know:
 やってみたいことはいろいろあるよね。
Cutters, castles, carpentry, cake –
 船、お城、木工、ケーキ
Any amount of Something to Make.
 作るものはいくらでもある。
The work is jolly, the pleasure immense —
 作るのは楽しい。すごくおもしろい。
So roll up your sleeves and save up your pence
 さあ腕まくりをして、お小遣いをためて
(To buy materials, you understand)
 (もちろん材料を買うために)
And turn out something that’s simply grand!
 なにかとっても素敵なものを作ろう!

Something to Makeは、このクリスマスシーズンの始まりの時期に、時を超えて私たちに訴えかけてくる。子供に贈る最高のプレゼントは「単なるもの」ではなくて、「なにか作るもの」だということを。このクリスマスには、子供たちに作ることを教えてやろう。
– Dale Dougherty
訳者から:Helenが鉛筆で書いたと思われるものを見ると、「from Mummie」 と書いてある。ママじゃなくてミイラだ、これじゃ。かわいいなぁ、100年前の子供。
原文