Fabrication

2012.05.16

Arthur Ganson作『コンクリートの中のマシン』

Text by kanai

動く機械アーティスト、Arthur Gansonの記事はこれまでにも紹介して大絶賛を贈っているが、今日、コンクリートに関することを調べていたら、この作品が目に飛び込んできた。Machine with Concrete(コンクリートの中のマシン)は、12個のウォームギヤと平歯車を組み合わせたパワートレーンだ。ギヤの各組が回転速度を1/50に落としている。入力軸には常に200rmpの回転が加えられるので、出力軸の回転数は1/50の12乗rmpとなる。Gansonによれば「最後のギヤが1回転するのに2兆年はかかる」とのことだ。
というわけで、出力軸はコンクリートで固められているというオチが付いている。
このマシンが現在どこにあるのか、突き止めることはできなかった。Gansonの作品の多くは MIT Museumに所蔵されているのだが、これについては消息が不明だ。知っている人がいたら、ぜひ教えてほしい。
今どこにあるのか知らないが、ずっと動き続けているのかどうかが知りたい。博物館にあるなら、開館時間だけ動いているのだろうか。最後のギヤがどれだけ動いたかは簡単に計算できるが、それよりも、コンクリートに固められたままの状態がいつまで続くのかは、考えてもわからない。回転数が50分の1になれば、トルクは50倍だ。まだがっちり固まっているのだろうか。それともゆっくりとコンクリートを削って動いているのだろうか。
Arthur Ganson Kinetic Sculpture
– Sean Ragan
原文