2008.08.20
Build: リサイクル部品で電動ゾートロープを作ろう
今回はジャンクからゾートロープを作る。ところで、ゾートロープってなんだ? という方は、こちらをどうぞ。回転のぞき絵 – Wikipedia
初期の原始的なゾートロープは西暦180年ごろに中国の発明家丁緩によって作られた。
これは、縦に細い窓がたくさん開けられた筒の形をしている。窓の下の内側にはビデオや映画のフレームか、連続した絵や写真を並べる。そして、円筒を回転させて、窓を通して内側の絵を見る。
ゾートロープは、身の回りのものやリサイクル品で作ることができる。モーターや可変抵抗が手元になくても、電子部品屋へ行けば大抵は手に入る。
部品を集める:
子供が大きくなって遊ばなくなったオモチャや、お隣さんが捨てたビデオデッキなどをチェックしよう。スイッチとモーターと配線が手に入る。部品探しは、けっこう楽しい遊びになる。ただし、テレビやコンピューターはコンセントを外した状態でも高圧電流で感電する恐れがあるから、くれぐれも気をつけて。知識が乏しい人には、部品探しは危険な場合もあるので注意しよう。電池で動く子供のオモチャなら、大抵は安全に必要な部品がとれる。
ここで紹介するのは、ゾートロープのごく基本的な作り方だ。使用する部品によっては多少の調整が必要になることもある。楽しいゾートロープが完成したら、ぜひともMAKE Flickr photo poolにアップして、ボクにメールしてほしい。よろしく!
必要な材料:
- いらないCD 1枚 – AOLのデモディスクなど
- CD のスピンドルケース 1個
- 紙 – 黒い紙と白い紙(白い紙を黒く塗ってもオーケー)
- 小さな消しゴム
- モーター 1個 – 子供のオモチャから回収
- スイッチ 1個 – これも回収品
- 可変抵抗
- リード線
必要な工具:
- ハサミ
- デザインカッター – 気をつけてね!
- はんだゴテ
- ヤニ入りはんだ
Part 1:部品を探す
最初にやらなければならないのは、不要の、または壊れた電気製品から部品を集めることだ。モーターは子供のオモチャから回収できる。子供がいない、または近所に子供がいないという場合は、1ドルショップでモーターが入ってる適当な物を買ってこよう。その場合、大抵はスイッチと電池も一緒に手に入る。ボクは1ドルの携帯扇風機を買った。扇風機としてはぜんぜん使えない。たしかにファンは回るが、まったく風を発生させないのだ。分解して部品を回収しろと言わんばかりのアイテムだ。
扇風機または入手した不要のオモチャを分解する。ネジを外してもカバーが外れないときは、シールの下にネジが隠れていたりするので、よく確かめよう。
ボクの場合は、2本の単三電池と、豆電球1個と、モーターと、リード線と、飾りのヒモが手に入った。今回使わないものは、別のプロジェクトのために取っておこう。
電池ホルダーはガラクタ箱に入っていたものを使うことにした。ずっと前にどこかから回収したものだ。単三電池4本が入るもの。完璧な電池ホルダーだが、使う電池は2本なので、半分に切断しなければ鳴らなかった。
カッターで切れ目を入れて、ポキンと折った。
Part 2:CDのスピンドルケースで駆動系を作る
まずは、スピンドルの中央の柱を切り落とす。ニッパーを使えば簡単にできる。
可変抵抗、スイッチ、モーターを取り付けるための穴を開ける。ドリルを使うと割れてしまうので、カッターの先を火で炙って熱くして、適当な大きさになるまで穴をこじ開けた。可変抵抗とスイッチの穴の位置は側面であればどこでもよい。モーターは上面の中央だ。
ボクの場合、可変抵抗はガラクタ箱に入っていたが、どこで手に入れたものか覚えてない。はんだの跡があるから、たぶん別のプロジェクトに使っていたものだろう。どこにでもあるってものではないから、手に入らない場合は、電子部品屋で買ってこよう。たかだか1ドル程度のものだ。
10センチほどのリード線を2本用意し、1本は可変抵抗の両脇のいずれかの端子に、もう1本は中央の端子にはんだ付けする。
ここで、可変抵抗をケースに取り付ける。ちょうどいいツマミがあったので、それを取り付けたが、木などで作ってもいいし、別にツマミなしでも構わない。
次はスイッチだ。スイッチの端子にも、10センチほどのリード線をはんだ付けする。中央に1本、両端のいずれかに1本だ。
スイッチをケースに取り付ける。
最後にモーターだ。モーターの両方の端子に、それぞれ10センチのリード線をハンダ付けする。次に、スピンドルの上面中央に開けた穴に、ホットグルーを使ってモーターを接着する。その上からエポキシをたっぷり塗って固める。乱暴に扱われる箇所なので、頑丈にしておく必要がある。エポキシは硬化するまで24時間かかるので、ここで作業を終えて、続きは明日ということになる。モーターの軸を適当な余り物の部品で補強してやってもいい。ボクは扇風機についていた部品を使った。
Part 3:配線を繋げる
配線を繋げよう。電池ホルダーをホットグルーを使ってケースの内側に固定する。後で分かったことだが、電池2本でもモーターのスピードが速すぎた。そこで、電池1本の仕様に変更する必要がでてきた。1本用の電池ホルダーに交換することもできたけど、ボクは電池ホルダーの片方の電池用のプラスとマイナスの接点をリード線で直結して、電池1本用のホルダーに改造してしまった。このプロジェクトの楽しいところは、あり合わせの部品で工夫して作るところだ。
はんだ付けをしよう。写真では配線の色がまちまちだが、これの廃品を使っているせいだ。そこで、ボクはわざと黄色い熱収縮チューブを使った。透明なケースの中に見える配線が、さらにカラフルになって楽しいからね。
極性を心配する必要はない。どっちに回ってもアニメーションは見えるからだ。電池からのリード線1本をスイッチからの線1本に繋ぐ。次に、スイッチからのもう1本をモーターの1本に繋ぐ。そして、電池からのもう1本を可変抵抗の1本に繋ぎ、可変抵抗のもう1本をモーターのもう1本の線に繋ぐ。わかった? わかればよろしい。
スイッチを入れて、モーターが回ることを確認しよう。可変抵抗を回すと回転速度が変わる。回転方向を変えたいときは、電池の配線を逆にすればいい。
Part 4:ゾートロープの筒を作る
まずは zoetrope_blank.pdfとzoetrope_ball.pdfをダウンロードする。それらを印刷して、枠の中にアニメーションを描く。または “Red Ball” を使おう。最初は簡単な絵から始めるといいよ。
アニメーションを描いたら、それを印刷して黒い紙に貼り付ける。黒を背景にすることで絵がハッキリ見えるようになるのだ。
ノリが乾いたら、白い長方形を切り抜く。ここが筒の窓になる。
印刷した紙を裏返して、下側に長いテープを貼る。テープは下から5ミリほどはみ出させること。はみ出したテープに1センチ間隔に切れ目を入れる。丸いCDに貼りやすくするための処理だ。
CDを紙の端に合わせてテープを貼る。CDを回転させながらテープの端を折り曲げてCDに貼っていく。すべて貼り終わったら、テープの上からさらに補強のテープを貼る。ボクのCDはナゼか標準の12センチよりもわずかに小さかった。そんなときは、紙を少し短くして対応しよう。この程度なら大勢に影響はない。
ほぼ完成。
Part 4:筒を取り付けて見てみよう
別のいらないCDを使って、中央の丸い穴の形を消しゴムの上に写す。
写した丸よりも、わずかに大きめに消しゴムを丸く切り、中央に穴を開ける。
ゾートロープの筒にしたCDの穴に消しゴムをはめ込み、さらにそれをモーターの軸に差し込む。
これで完成だ! 新しいテンプレートを印刷して、別のアニメーションを作ろう。次からは、下半分だけを切り取って、筒の内側にはめ込むだけでいい。いろいろなアニメーションを作って友達に見せてやろう!
– Marc de Vinck
[原文]