Electronics

2008.12.02

LEDスローウィーを作ってオームの法則を教えよう

Text by kanai

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電子回路の理論を真剣に学ぼうとすれば、どうしてもオームの法則を避けては通れない。では、I=VRの概念をどのようにして完全に理解するかだ。生徒たちは、V=I/RR=V/Iがわかるだろうか? この3つの式は、どれも同じなのか? これらの理論をまとめて、記号を数字に置き換えて実生活に応用できるだろうか? ここで彼らに、LEDスローウィーを投げてみよう。
電気や回路に関する教材では、9ボルトの電池を使うことが多い。そのため実験では、電圧を下げて、電池の寿命を延ばし、LEDが燃えないようにするために、LEDに抵抗を繋ぐところから始まる。このように、回路の勉強の初めから抵抗を使わなければならないとなると、入門者は、いきなり大量の理論と戦うはめになる。しかも9ボルトの電池は、けっこう高かったり、すごく高かったりする
電気や回路の勉強に使えるオンラインの資料はたくさんある。中でも私が好きなのは、Paul Falstadのサイトだ。電気の流れや方向が図解されていて、彼のシンプルな回路を使うことができる。また、改造して使ってもよい。ほかにも、数多くの数学や物理の理論を図解している。
スローウィーを使った学習のアイデアには、次のようなものが考えられる。LEDがどれくらいの時間点灯しているか。LEDを3ボルトの電池に2個、3個、あるいは10個と増やして並列に繋いでいった場合の電池の持ちはどうか。同じ数のLEDを直列に繋いだ場合はどう変化するか。抵抗やコンデンサーやトランジスターやフォトレジスターなど、他の部品を繋いだら、回路はどのように作動するか。マルチメーターを使って、電圧、抵抗値、電流、極性などを測るにはどうしたらよいか。
スローウィーの利点はもうひとつある。コストだ。上に掲載したMake(英語版 Vol. 6、116ページ[日本語版は、Vol.5の142ページ])の絵を見れば、必要な部品の価格と購入方法がわかる。今や、LEDは大変に安価になっている。電池もそこそこ安くなっている。磁石はちょっと高いかもしれない。比較的低予算で、クラスの全員に行き渡るだけの材料を揃えることが可能だ。また、これらの部品はジャンクから回収して集めることもできる。LEDは、私たちが毎日のように廃棄しているほとんどの電子製品に使われている。電池も、廃棄場に向かうパソコンの中から取り出すことができる。ハードディスクの中には、強力な希土類磁石が2つ以上入っている。部品を回収するには、新型よりも旧型の電子製品のほうがよい。部品は大きいし、昔ながらの方法で取り付けられているからだ。はんだゴテとはんだ吸取線を使って部品を取り出すときは、安全のためにかならずゴーグルを着用しよう。
このプロジェクトには、ひとつだけ落とし穴がある。ティーンエイジャーに渡せば、どうしても面倒な騒ぎの元になる可能性を回避できない。もちろん、こうしたカオスを最小限に抑えるための工夫の余地はある。Sittees(ただ置く式)、Stickies(粘着式)、Floaties(浮かべる式)などはどうだろう?
スローウィーなどのシンプルな材料で電気の授業をした経験は? もし試してみる予定なら、ぜひとも写真やビデオを撮って見せてほしい。または、Make Flickr Poolにアップしてほしい。解説にはリンクを張ってほしい。また、電気の勉強に子供たちが強い興味を抱く良いアイデアがあったら、ぜひコメントを買いてほしい!
このほかに、学校の授業やその他の教育の現場で役に立ちそうな Make や Craft の記事があったら、それもコメントに書いてくれ。
– Chris Connors
原文