2009.10.16
技術者の国アメリカ
Makeの編集主任、Keith Hammondは、社内のメールでこんな文章を配布した。これはワシントンポストのコラムニスト Joel Achenbachのブログに6月に掲載されたものだ。
新卒者へのアドバイス。エンジニアになれ。未来をデザインせよ。海水からエネルギーを搾り出す方法を、または太陽光から数セントで1キロワットの電力を生み出す方法を考え出せ。
または、みんなが買いたいと思えるようなアメ車を作れ。
今朝、Michael Leahyの記事を読んだ。GMの従業員について書かれたものだが、その従業員の中に、生まれながらの職人で分別があり、新しい物に挑戦する準備ができている人がいた。それを読んで、私はジュール・ベルヌの『月世界旅行』からの一節 (Craig Nelson著 『Rocket Men』 に書かれている) を思い出した。
「世界最初の機械工であるアメリカ人は、技術者だ。—-イタリア人が音楽家であり、ドイツ人が形而上学者であるように—-生まれ持った資質だ」
多分にステレオタイプだが、アメリカ人のエンジニアリングに対する眼識から考えれば、間違っていない。アメリカは、ずっと技術者の社会だった。しかし、ある時から、私たちは技術者であることが、当たり前だと思うようになってしまった。Nelsonはその著書の中で、輝かしい現代のエンジニアリングに対する尊敬が失われてしまったと、行間に滲ませている。
月に人間を送り込んだ我々に、なぜそれができないのか……
我々には、もっと多くのマンハッタン計画が必要だ。この秋、米国技術アカデミーがアメリカがやるべき仕事のリストを発表したので、それを見てみよう。
1. ソーラーエネルギーのコストを下げる
2. 核融合を実現させる
3. 炭素隔離の技術を開発する
4. 窒素循環を管理する
5. 清潔な水を供給する
6. 都市基盤を修復、改良する
7. 保健情報科学を発展させる
8. よりよい医薬品を開発する
9. 脳の機能を解析する
10. 核の脅威をなくす
11. サイバースペースの安全を確保する
12. 仮想現実を強化する
13. 個別教育を発展させる
14. 科学的発見のための道具を開発する
おお、私も何か作らねば!
[トマトのステーキもエンジニアリングに入るのでしょうか?]
A Nation of Engineers(英語)
訳者から:マンハッタン計画と聞くと怖いけど、いい意味でのマンハッタン計画だよね。昨日、ヒストリーチャンネルで『ドッグファイト』とうい番組をやっていた。20年後の空中戦や宇宙戦(!)の様子をアメリカの航空軍事技術者たちが誇らしげに語るんだけど、20年後にまだ戦争なんてやってたら、人類、ダメダメでしょ。
– Gareth Branwyn
[原文]