Electronics

2009.11.30

EyeWriter – 安価な視標追跡器具

Text by kanai


EyeWriterをぜひみんなに見てほしい。

Graffiti Research Lab、openFrameworks、The Fat Lab、The Ebeling Groupが共同開発した視覚兵器、EyeWriterを紹介します。これは低コストの視標追跡器具と自作ソフトウェアを組み合わせたものです。筋萎縮性側索硬化症によって全身麻痺となったグラフィティアーティストが、目の動きだけで制作活動ができるようにと作りました。
EyeWriterのハードウェア部分の目標は、EyeWriterソフトウェアを使うための視標追跡ヘッドセットを、できるだけ安価に簡素に作ることです。すでに、さまざなま方式の視標追跡ハードウエアがあり、とくに学術研究用のプロジェクト(Open Eyes)はインターネットでオープンになっています。
私たちの開発仕様は次のとおりです。
1. EyeWriterは、できる限り安価であること。
2. システムの組み立ては、一般的な手動工具で行えること。
3. 部品はできるかぎり、オンラインではなく地元の店で手に入るものを使うこと。
4. カメラは 640 x 480 NTSCビデオに対応していること。
5. カメラは近赤外線を感知できること。
6. カメラは自動絞りでないこと(またはカメラの設定で自動絞り機能をオフにできること)。
7. 瞳の照明は赤外線LEDで行うこと。
それ以外は自由にどうぞ。この解説書では、ハンダ付けを必要としない、改造したPS3 Eyeとベニスビーチで買った巨大メガネを使った作り方も紹介しています。また、EyeWriter のいろいろな設定方法も解説しています。

建物に(光で)書かれたTemptOneのサインを見よ。眼球しか動かせなくても、ここまでできる。これが未来だ。このプロジェクトを見ていたら、心が温かくなってきた。このプロジェクトは、すべてがオープンソースだ。
訳者から:ボクの父が神経の難病で寝たきりだったころ、ボタンを押して言葉を選ぶシステムをFlashとパソコンとマウスを改造したスイッチで作ったけど、うまくいかなかった。あのとき、これがあったらなーと、すごく思う。これこそオープンソースとして素晴らしいプロジェクトだね。
– Becky Stern
原文