2010.01.12
ITP winter show 2009 — Makeのお気に入り
ITP winter show 2009(サウンドやフィジカルコンピューティングなどのインタラクティブプロジェクトを展示する、ニューヨーク大学大学院、Interactive Telecommunications Program Tisch School of the Arts による2日間のイベント)は、いつ見ても楽しく驚きに満ちている。(概要はこちら (英語))。毎年、Makeではこのショーを取材して、お気に入りのプロジェクトをピックアップしている。しかし、どれも素晴らしいものばかりで、選択にはいつも苦労する。そこそ無理矢理、5つに絞ってみた。ショーの全体の雰囲気は、上のビデオで見てほしい。写真はここにたくさんあります。
fridgebuzzz MK1 – MIDIギター型コントローラー。32個のLEDプッシュボタンと6つのタッチプレートスイッチで構成されている。MK1の試作機は、ユーザープログラムが可能なMIDIコントローラーで、32個のLEDプッシュボタンと6つのタッチセンサーである銅製プレートスイッチを備えている。たとえば、上段の12個のボタンに、メジャーの循環コードを5つ登録しておく。その5つに対応するマイナーコードを下の段に登録しておく。タッチスイッチは、ギターの弦のように配置されていて、ボタンを押してプレートに触ると音が出る。ボディ近くにある8つのボタンには、最後に押したボタンのメジャーとマイナーのノートが割り当てられる。ヘッドには6つのタッチプレートに対応した6つのLEDが埋め込まれており、タッチプレートに触れると光るようになっている。Paul Rothman作。
The Bed – 紛争の物理的視覚化。毎日、ニュース配信会社からのデータを解析して紛争のニュースを探し出す。そして、紛争地点の緯度と経度をXY座標に変換して、その位置に、プロッターが絵の具をたらす。Igal Nassima作。
Dynamic Ground – プラットフォームを踏むと、足の下のユニットが動き出す。Dynamic Groundは、人の足に反応する、いろいろな場所に配置できる動く床だ。プラットフォームの上を人が歩くと、踏まれた場所にあるユニットは、格納状態から展開状態になる。ユニットは、互いに接続された7つの六角形で構成されていて、光センサーに反応して、中央のサーボモーターによって、滑らかに円形動作を行う。Adam Lassy、Adi Marom作。
Historical Radio。聞く人に時空を超えさせるラジオだ。いろいろなジャンルのいろいろな時代の音楽やニュースを、ごく普通のツマミを回して聞くことができる。音声データは教育目的に使えるよう考えられている。特定のイベントを時代別に聞いたり(時間移動)、地域やジャンル別に聞いたり(空間移動)できる。歴史博物館にぴったりのデバイスだ。操作は、ラジオを使ったことのある人なら誰にでも使える簡単なもの。チューニングツマミを回して時代を合わせて、帯域セレクターで空間を合わせる。自動モードを選択すれば、時代や空間の軸に沿って案内してもらえる。 David MIller、Jason Aston、Lucas Werthein作。
Super Duper Cubes – 光るキューブを使って、MIDIを通してビデオや音楽をコントロールするタンジブルインターフェース。音楽、ゲーム、視角化のコントロールを目的としている。それぞれのキューブには三軸ジャイロスコープ、三軸加速度センサ-、ワイヤレス通信装置、バッテリーが内蔵されているので、ケーブルなどは一切繋がっていない。これを手で動かしてコントロールするわけだ。たとえば、シンセサイザーに応用すれば、左のキューブを回して選択した楽器のパラメーター(ボリューム、ディストーション、ディレイなど)を選択して、右のキューブを回してそのパラメーター調整をするといった具合に使える。Nikolas Psaroudakis、Rune Madsen作。
– Phillip Torrone
[原文]