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2010.03.16

Maker Business: 小さな印刷屋、Zeichen Pressの場合

Text by kanai

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Maker Business特集の呼びかけに対して、Zeichen PressのFran Sheaから素晴らしいメールをもらった。彼女は、義理の妹、Jenと2人で始めた小さな印刷屋の話をしたいと言ってきてくれたのだ。印刷所オタクの私としては、この申し出には抵抗できない。これは、Franとの短いインタビュー記事だ。– Gareth
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彼女たちの職場、Zeichen Pressの活字棚の前で、Jen(左)とFran(右)。
この会社について話してください。どこにあるのか、何をしているのか、このビジネスを始めるに至った経緯とか?
会社はミネソタ州ミネアポリスにあって、グリーティングカードのデザインと活版印刷などの業務を行っています。カードは世界中の小さなお店などで売られているわ。世界中のよ。それから、ポスターや招待状や名刺などのデザインと活版印刷を受注したり、私たちを信頼してくれている企業のデザインやマーケティングもしています。Jenは元インテリアデザイナー。私はグラフィックデザイナーでアートディレクターもやってました。だから、すごく自然な方向だったわけ。
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活版印刷を始めようと思ったわけは?
ずっと昔に活版印刷の機械を見て、すごい宝を発見したような気持ちになったことがあったの。実際にこの仕事ができるようになるまで、私はそれをずっと心の片隅に仕舞っていました。そこへJenが飛び込んでくれたのよ。デザインと活版印刷の仕事を私といっしょにやってみないかって誘ったら。彼女は冒険を嫌がったけど、私が利用した形。ごめんなさい。
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機械について教えてください。どんな印刷機なんですか? どんな用途の?
私たちは卓上印刷機2台から始めました。今から見れば、かわいいオモチャね。本気の印刷機(指を挟んだら笑いごとでは済まないようなやつ)は、Chandler & Price New StyleとHeidelberg Windmill。私がコンピューターでデザインして刷版を作らせるとき以外は、すべてのレイアウトは手で活字を並べて行います。ここには、譲ってもらったり拾ったりして集めた木と鉛の活字がたくさんあって、活字を組む作業は大きな石のテーブルの上でやります。活字はすごく重いから石じゃないとダメなの。
このビジネスを立ち上げるにあたって、最大の難関は何でしたか?
たぶん、毎日の帳尻を合わせる方法を探すことね。私たちは2人とも専業主婦だから。それが最初の問題だったわ。私たちは(最初からだけど)これをストレスのかかる仕事じゃなくて、楽しい挑戦にしましょうということに決めたの。
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いちばん誇りに思うことは?
ひとつの仕事を仕上げたときは、とっても楽しい気持ちになります。Room and Boardプロジェクトは、本当に楽しかった。4色分版の活版印刷は、たぶん技術的にも、私たちが手がけた中でいちばんクールなものだったわ。メディアの反応もすごくよかった。1世紀前の方法を使ってデザインして、ひとりで、ガレージで、冬に……。実際に誰かが見て買ってくれる製品を作っているということを忘れる感じ。
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家族と仕事をするって、どんな感じですか? リスクはありませんか? そこに反対する人はいませんでしたか? 見た感じでは、うまくいってそうだけど。
こんなにうまくいくなんて、自分でも信じられないくらい。リスクなんて感じません。私たちは2人とも、これからどうなるか考えずに来ました。一人歩きしてるんです。子供みたいに。ちょっと変な、貧しい子供。その子と私たちは、あるときテレパシーで話ができるようになったんです。
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もう一度最初からやり直すとしたら、何か変えたいことはありますか?
何もありません。ほんとに。どんな障害も大切な体験だから。
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物作りでスモールビジネスを始めようと考えている人に、何かアドバイスは?
自分の限界、強さ、人間関係に気をつけることね。ちょっと厳しすぎたかしら。ごめんなさい。別の助言にするわ。こんなのはどうかしら。いつも帳尻を合わせておくこと。くれぐれも酒と女にうつつを抜かして資本割れしないように(私が言ったら変?)。[変です。– 編集者]
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活版印刷や小さな印刷ブティックへの人々の関心が戻ってきていると思いますか? もしそうなら、何がそうしていると考えますか?
活版印刷全体に復活の兆しがあるわよ。何かの反動なのかも。でも、オンラインのデザインや文字印刷や電子的なコミュニケーションから、ちょっと離れてみるのもいいと思うわ。
今、あなたたちが取り組んでいるプロジェクトは?
今は、地元の建築会社、Tanek Incのブランディング(リブランディング)をしています。彼らのウェブサイトをデザインし直して、活版印刷でロゴと文字媒体のデザインも作り直して、 デザイン関係の一切合切を引きうけてるの。グリーティングカードは、いつも新作を作ってオンラインショップに出してるわよ。

Fran がChandler & Priceを操作しているところ。撮影はFranの7歳の娘さん。
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– Gareth Branwyn
原文